小学生までに身に付けるとよいこと①

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こんにちは。元小学校教員のLilyです。

今日から「小学生になるまでに身に付けるとよいこと」シリーズを投稿していきます。
今日は第一弾「文章の本を読むこと」についてお話しします。
少し長いですが、お付き合いください。

【シリーズ概要】

学級担任や特別支援教室での指導をしているなかで、あることができないために子供たちが困っている場面に多く遭遇しました。
学校生活を送るうえで子供たちが困ることがないよう、「小学生になるまでに身に付けるべきこと」をテーマごとにお伝えしていきます。
※あくまで私個人が教員をしていて気づいたことを基にしており、教育専門家の意見ではないことをご了承下さい。

それでは、さっそく話ししていきましょう。

【身に付けるとよいこと①】文章の本を読むこと

「文章の本とは?」と思った方もいるかと思います。

文字がほとんどない絵本や図鑑ではなく、物語が文章で書かれている読み物を経験をさせてあげてほしいです。

もちろん、絵本や図鑑を読むことも子供たちにとっては大切で、それらを読むなと言っているわけではありません。また、一人で一冊読めるようになるようになる必要はありません。小学校に進む前に、文字で進んでいく読み物も経験させて抵抗感をなくしてあげてほしいのです。

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【身に付けるべき理由】

小学校では、読書の時間が多くあります。おそらく保護者のみなさまが想定されているよりも多くの時間です。大きく分類すると次のような時間です。
・週に1回の「図書」の時間
・授業開始前の「朝読書」の時間 
・課題が終わった後の自由学習の時間

朝読書に関しては、学校によって実施する曜日や時間は変わりますが、大体週3・4日10分程度の所が多いかと思います。
「毎朝1時間目の前に15分間」など積極的に取り入れている学校もあり、その場合かなりの読書量となります。(実際に私の勤めていた学校では月曜日以外の曜日は15分間取っていました。)

これだけの読書量があると、そもそも本を一定時間一人で読むことに慣れていない子供たちにとっては、退屈だったり苦手な時間になったりする可能性があります。一方で、読書に慣れている子供たちにとっては幸せな時間です。一人で静かな空間で集中して読むことができ、知らずに語彙力や表現力を伸ばしていけるのです。
ここでしっかり読めるか読めないかは今後の成長に大きくかかわってくるでしょう。

【どうして「文章の本」を読む必要があるのか】

学校にもよりますが、読書の時間では、「文章の本」を読むよう担任や司書から声掛けすることがあります。図書の時間や朝読書は、「読む力」を身に付けることを目的にしている「学習」として位置づけられているからです。

前段の通り、図鑑や絵本も大切で学ぶべきことがたくさんあり積極的に読んでほしいです。必ずしも毎時間文章の本しか読んではいけない、ということではありませんが、事実として勧められることが多いです(特に3年生以降)。私が教員をした3校ではどこも「文章の本」を読むよう声掛けをしていました。

また、国語の授業では文章で進む読み物を読んでいくことになります。
国語の授業で躓かないためにも文章の本に慣れておくのはよいでしょう。

【よくある困ってしまう例】

普段から文字の少ない絵本や図鑑を好んでおり、文章の本を読むことに慣れていない子供たちは、学校の読書の時間にどうなってしまうのか。

どのような本を選べば良いかわからない、選んだとしても慣れていないため読むことができず、時間を持て余してしまう。
退屈になったために文房具で遊んだり、机に落書きをしたり、みんなが座って読書している時間に立ち歩いて友達にちょっかいを出したり、そういった場面もよくありました。
周りのお友達が困ってしまうこともそうですが、やはり本人が一番どうしたらよいかわからず困ってしまうのです。

そうならないために、むしろ読書が好きになって学校図書の時間を楽しめるようになるために、家でできることをお伝えします。

【家庭でできるサポート】

生活の中で読書を取り入れることで、本に慣れるサポートすることは可能です。「勉強」としての読書ではなく、あくまで楽しい時間として「読書」を取り入れられるとよいと思います。具体的には、次のようなサポートができます。

●おうちの人の読み聞かせ・一緒に読んでみることから始める
読書自体に慣れていないお子様の場合は、少し文字が多めの絵本から始めるとよいでしょう。次に、挿絵が多く入った文章の本、というように、いきなり文字が多い本を読むのではなく、お子様に合わせて読みやすい本から始めてみるのがおすすめです。
文字をまだ読めなくても大丈夫です。指で読んでいる文をなぞってあげると、パッと目に入る挿絵だけでなく、文に注目できるので読書に慣れる第一歩になります。

★ポイント:一気に読みすぎない
一気に何ページも読むと疲れてしまうので、少しずつ少しずつ。子供が退屈そうな場合は無理に続けなくて大丈夫です。「今日はここまで」と決めて時間を取るのも良いでしょう。もちろん、子供自らが続きを読みたい場合は続けてあげたり、一人で読めそうなら「自分で続きを読んでいいよ」と勧めてあげたりしましょう。

★ポイント:わからない言葉を一緒に調べたり教えてあげたりする
読書をしていると、知らない言葉や表現に遭遇します。そんなときは、教えてあげたり一緒に調べたりしてあげてください。語彙の獲得につながるだけでなく、今後お子様自身で読書を進めていくときに、わからない言葉があったために読みたくなくなる、ということを防ぐこともできます。
初めての言葉や表現に出会えるのも読書のいいところだということを伝えてあげるとよいでしょう。

●図書館や本屋に行き、たくさんの本から自分のお気に入りを見つける
大人にとっても子供にとっても「自分で選んだもの」というのはやはり特別ですよね。表紙の印象で選んでも良いと思います。お子さんがご自身が手に取って「これが読みたい!」と思ったものを是非プレゼントしてあげてください。

●親も読書の時間を作る
子どもに読みきかせをするだけでなく、保護者の皆さん自身も読書する姿勢をみせてみることは効果的です。おうちの人が自然に日常に読書を取り入れている姿を見ると自然に子供たちも本に向かうようになりやすいです。

●子供用の本をリビングなど目に入る場所に置く
お子さんのお気に入りの本や、好きそうな本、読んでいる途中の本などを目に入る場所に置いてみましょう。やはり視覚に入ると気になり、手に取りやすいです。保護者の方から読書を促すときにも、本が見えていると誘いやすくなるので是非お試しください。

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【おすすめの本】

入学準備にあたり、小学校に関係のある本を一緒に読むことがおすすめです。
次の三冊はすべて、文字が多めの絵本です。ぜひ手に取って読んでみてください。
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【最後に】

読書時間が学力に比例することは、あらゆる調査で明らかになっています。
是非、小学生になる前から文章の本を読むことに慣れて、学校の読書の時間が楽しい!と思える子供たちが増えるといいなと思います。

「小学生になるまでに身に付けるとよいこと」シリーズ第一弾はどうでしたか?これから第二弾・第三弾・・・とテーマごとにブログ更新をしてまいりますので、是非のぞいていってもらえると嬉しいです!

次回、第二弾は「自分で選ぶこと」です。
日曜日に更新予定なので、是非お気に入り登録をしてお待ちください。
※次回からは有料ブログの予定です。ポイントなどを使って読んでいただけると嬉しいです。

それでは、また会いましょう。

Lily

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