誰もいない家

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空き家の話ではない。
昼間はお父さんは仕事で家にはいない。
お母さんも仕事で家にいない。 子供も学校で家にいない。
平日は 家には誰もいない。
そんな家も今は多いのではないだろうか?

我が家では仕事を在宅に切り替えた私が
今では家にいる。
それ以前の20年間 我が家も昼間は誰もいなかった。

家のまえに欅(ケヤキ)がある。大きく枝を張っている。
午後になると欅の向こう側に太陽が回り込むので
欅の枝葉の影が我が家を覆う。

午後になるとリビングの木目の床には 
木漏れ日と欅の枝葉の影が遊ぶ。
柔らかな風に揺れる光と影 これが非常に美しい。
20年もの間 誰もいないリビングで この光は
見る者もなく 揺れていたのだろうな。


もともとアウトドアライフを愛していたから
山や海に美しい光景を求めて旅することが多かった。
でもこんなに安らげる美しさがまさに
我が家にあったとは。
まるで青い鳥の童話のようだ。

夜になると 玄関灯がつく。
ソーラー仕様で橙色の灯だ。
やがて 子供や夫が帰ってくる。
夕食をだす。
我が家の灯りはきっと暗闇の中で温かく浮かび上がっているだろう。
灯りって凄く綺麗だ。

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