65歳以上の高齢者の「約5人に1人が認知症になる」→多様性の高い食事を目指せ!

記事
コラム
団塊の世代が75歳以上となる2025年
「国民の3人に1人が65歳以上になる」と言われています。


平日通勤生活をしている限り、
高齢者を見かけることは少ないと思いますし、
休日にお出掛けされる方も、
そこまで高齢者ばかりだという印象は
持たれないかと思います。

しかし、
私たちには見えない場所で、
多くの高齢者の方は暮らしています。

平日の昼間には高齢者をお見かけしますし、
一般の人とはあまり接点のない老人ホームに高齢者はいらっしゃるし、
病院に行くと高齢者との遭遇率はぐんと上がります。

また、
病院にも行けない、
買い物にも出られない高齢者も居られ、
在宅診療や歯科往診、
訪問看護や訪問介護を利用して暮らしている方は、
実はとても多いです。


3人に1人が65歳以上を目の前に控え、
「認知症」患者数も増えています。

65歳以上の認知症患者数は2020年に約602万人、
2025年には約675万人(有病率18.5%)といわれ

65歳以上の高齢者の「約5人に1人が認知症になる」
と予測されています。


認知症で最も多いのは「アルツハイマー型認知症」です。
脳にアミロイドβという特殊なたんぱく質がたまり、
それが神経細胞を破壊し、
脳が萎縮することで発症します。

今の出回っている認知症治療薬は
アリセプト、レミニール、リバスタッチパッチなど有名どころですが、
認知症治療薬といっても、
「認知症の進行を遅らせる薬」であって、
認知症を改善する薬ではありません。

アデュカヌマブ、レカネマブといった
認知症の治療の新薬の登場がちょっと話題になりましたが、
レカネマブは早期の認知症に投与すれば、
認知症を改善させることができるそうですが、
使用するには副作用等リスクが高いとする研究者もいるようで、
私たちが使用できるまでには、まだ時間がかかりそうな感じです。


治療薬が未だに難しいとなると、
認知症にならないため、
認知機能を維持するためには、
とにかく「予防」ということになります。


食事からできる認知機能低下の予防策として、
「食品摂取の多様性の高い方は、認知機能低下リスクを抑制する」との
国立長寿医療研究センターの研究結果があります。


様々な食品を摂取することは、
食品の持つ複数の栄養素を摂取できるということなので、
栄養摂取量が良好な状態となります。

良好な栄養で充実された血液が、
脳の機能維持に必要な物質が脳神経まで届き
「脳神経が保護」されます。

また、食品摂取の多様性の高い食事をするための
「献立を考える」「食材を用意する」「料理をする(あるいは購入する)」
といった食行動が、
認知機能の低下へ循環するような効果をもたらします。


さらに、
「認知機能の低下を抑制する効果のある食品」として
以下の食品が挙げられています。

① 青魚に多く含まれるDHA・EPA
② 緑茶に含まれる抗酸化作用のカテキン(1日に2杯以上で効果あり)
③ 乳製品に含まれる短鎖脂肪酸(牛乳1日180ml程度)
④ 豆・大豆製品(1日80g以上)
⑤ ココナツオイル・牛乳に含まれる中鎖脂肪酸


注目したいこととして、
「炭水化物に偏った食生活は、認知機能低下リスクを上げる」
との研究結果もあります。

これは、
炭水化物が認知症を加速させるわけではなく、
「炭水化物に偏るような栄養バランスに問題がある」ということです。

パンだけ、おにぎりだけ、うどんだけ

といった手軽で誰もがよくしがちな食事スタイルは、
他の食品が摂取されていないので、
「必要な栄養素が確保できない」ことが、
認知機能低下の原因になるということです。


そして、
「糖尿病、動脈硬化症などの生活習慣病は認知症のリスクを高める」と言われています。

そもそも生活習慣病になるような方は食事はバランスが悪く、
必要な栄養が脳に十分に与えられないことと、

生活習慣病ではない健康な人の血液に比べ
糖尿病の方の血液は糖分が多く、
動脈硬化の方の血液は脂質である悪玉コレステロールが多いです。

身体や脳が喜ぶ栄養源である血液に、
特定のものが過剰に混入している状態なので、
脳だって身体同様に負担になると解釈して良いのだと思います。


認知症の予防に限らず、
「多様な食品を摂取する」ことは
本当にとても大切なことです。

人間の身体はとても複雑です。

例えば、
鉄分を摂りたいからと
レバーとご飯の食事をしていても、
吸収率の悪い鉄分を(体内吸収率15%)
効率よく吸収することはできません。

効率よく鉄分を吸収するためには
ビタミンC、良質なたんぱく質も
同時に摂取することが望ましいのです。

「多様な食品を摂取できる食卓」は、
「多様な栄養素が摂取できる食卓」なので、

ビタミンC、良質なたんぱく質という栄養素なんて
意識することなくカバーできてしまいます。

これは本当に理想的な食卓で、
「多くの病気に対して予防ができる食卓」ということです。

「多様な食品を摂取する」ことは、
「健康を維持・改善するための食事」であると言えます。


高齢になれば誰でも認知機能の低下、
認知症になるリスクが高まります。
生き延びるほどに、リスクが上がるとも言えます。

遺伝的な要因もありますが、
平等に認知症になるリスクは背負っています。

言うほど簡単ではないけど、
つい、同じような食材を買ってしまいがちだけど、
様々な食材を取り入れる食生活を意識していきたいと思っています。

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