中小企業経営のための情報発信ブログ107:生産性を高めるためマネジメント層が行なうべきこと

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ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は「業務の生産性を高めるために経営トップを含むマネジメント層が真っ先にやるべきこと」について書きます。
一般的にマネジメント=管理ととらえられていますが、ドラッカーによるマネジメントの捉え方は「人や組織の強みや創造性を最大限に引き出して経済的・社会的に価値ある成果を上げること」なので、単なる管理という枠にとらわれるものではありません。ドラッカー的な発想によれば、リーダーとマネージャーは明確に区別できるものではなくなるはずです。
ここでもマネジメントについてドラッカー的な捉え方をします。
1.マネージャーの仕事は、メンバーを支援することで前向きなエネルギーを創り出すこと
 マネージャーの仕事は、出どころが経営者やトップの意志なのか、本部による創作なのかもわからない根拠のない希薄な運用基準に沿った数値を黙って受け入れることではありません。マネージャーの仕事というのは、本部から出された数字を部下に押し付け「何とかしろ」と無理強いし、達成できなかった部下を「あいつはダメな奴」と報告するだけの無責任な仕事ではありません。
マネージャーの仕事は、部下に対して今の仕事の意義を説き、現場のメンバーの問題解決を支援することで前向きなエネルギーを創り出すことです。それによって、すべての生産性を高めることができます。
 ドラッカーは、マネジメントが根本的に目的とするものについて
Ⅰ:まず、その組織に特有の使命を果たすこと
 Ⅱ:働く人たちを、仕事を通じて生かし、生産的にすること
 Ⅲ:事業を通じて社会の問題解決に貢献すること
と述べています。
2.人は意義を感じることに取り組んでいるとき、幸せホルモンの「オキシトシン」が分泌される。
 人は、意義を感じることに取り組んでいるとき、それがたとえ難易度が高い課題であっても、世のため・人のため・組織のためになると思う時には幸せホルモンである「オキシトシン」が分泌されます。この状態が、最も生産性が高く、何より本人も幸せを感じている状態です。
 この意義を感じるための指導を行うのがマネージャーの役目で、そのプラットフォームを用意するのがマネージャの重要な仕事なのです。
 部下の育成に必要なものに「自己効力感」と「自己重要感」があります。
 「自己効力感」というのは、自分の中で「できる」「できるかも知れない」と前向きに思うことです。自己効力感を持つと、自分が「できる」と思う事態になると貢献したくなり、「任せてください」と手を挙げたくなります。自己効力感は様々なことを経験し、的確なフィードバックをされる中で育てられます。上司としては、チャンスやチャレンジできる環境を意識して提供するとともに部下が「できた」ことを評価するなど公平なフィードバックを心掛ける必要があります。上司と部下との間で、共感できるようになると、上司から「心配していない」という励まし・心理的アドバイスを与えられただけで「自分はできる」という自己効力感が高まります。
 「自己重要感」というのは、組織の中で自分が重要な役割を担っていると思える力です。チームのメンバーがそれぞれ自己重要感を持っていれば、何か問題が起こった時には、大きな力を発揮します。「この分野は自分が得意だから任せてください」と自分の強みを持ってチームに貢献しようと自発的に行動するようになるのです。「心配していない」という励まし・心理的アドバイスによって、「自分は信頼されている」と思えると、自己重要感も高まり、積極的・自発的に行動するようになります。この自己重要感も部下の自発的成長には欠かせません。
 マネジャーは部下の「自己効力感」「自己重要感」を高めるように 指導することや、コミュニケーションをとることが重要になるのです。
3.マーケティングとイノベーション 
 収益管理や目標管理といった数字の管理ではなく、「イノベーション」の名のもとに、数多くの挑戦を行う方が結果的に個人、チーム、組織、さらに企業の成長を高め、生産性を高め、株価上昇にもつながるのです。 
 ドラッカーも、「企業の目的は顧客の創造である。従って、企業は2つの、そして2つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである」と言い、顧客の本当の満足要因や価値と感じていることを知る「マーケティング」と新たな満足や価値を生み出すために自己変革していく「イノベーション」を重視しています。
 これらの基本機能について、徹底的に話し合い、見直すことが企業の生命線であり、経営トップを含めたマネジメント層の役割・仕事なのです。
 現在のように変化が激しい時代においては、企業は絶えずイノベーションしていくことが不可欠です。しかし、それは一発逆転を狙った奇抜なものである必要はありません。社員が、お客様、取引先、市場の小さな変化に気づき、その変化を事業に有効に活かすことで、昨日より今日、今日より明日と生産性が高まるのです。地道でも理にかなったイノベーションの連続が組織の、事業の明日を創るのです。
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