先生が倒れちゃった! その3

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コラム
ちいこの保健室へようこそ!

学校の保健室の先生を29年間勤めました。



会議の後、突然倒れちゃったM先生ですが、
保健室で私に、今までの壮絶な経験を
いろいろお話してくれました。

いつも強気で、スキのないM先生が
小さな声で、
「もう学校辞めちゃおっかな…」
とつぶやきましたが、
私は聞こえないふりをしました。

私は
「M先生、だいぶ良くなったようだから
私職員室に戻りますね。
まだゆっくりしてください。」
と言って、一足先に職員室に戻り
仕事をしていると、
そのあとすぐに、M先生も戻ってきました。

周りの先生に
「M先生、大丈夫ですか~?」
と心配されると、M先生は
すっかりいつもの調子の毒舌で、
おもしろおかしく返事をしていました。

M先生の一件があったので、私もすっかり
帰宅時間が遅くなり、夜の7時を過ぎたので、
帰る準備をしていました。

M先生が後ろを通りかかったので、
「先生、今日は早く帰ってくださいね」
と言うと、
「私、忙しいのよ~」
と、相変わらずのお返事。

でも、私はなんだか安心して、
「じゃ、お先に~」
と、帰宅の途に着いたのでした。


あのあと、私がその学校を離れるまで、
M先生が倒れたという話は
聞きませんでしたが、
おそらく、誰も知らないところで
M先生は時々体調を崩していたに
違いありません。

でもそんなこと誰にも言わないのが
M先生です。

そのまま先生を続けていらっしゃったら
今年度いっぱいで、M先生は退職を
迎えられるはずです。

いいか悪いか、賛否はあると思いますが
職人気質のM先生みたいな先生が
だんだんいなくなっていきます。

おしまい






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