僕のおみやげで、僕の心を壊すのやめて!! その2

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コラム
ちいこの保健室へようこそ!

学校の保健室の先生を29年間勤めました。



ゆうべ、お母さんがお酒を飲んで暴れて
小さな心を痛めたO君でしたが、
昨夜の出来事をひとしきり話し終わると、
頭痛も少し良くなったと言って、
教室に戻っていきました。

私は、授業が終わってから、担任の先生に
O君のことを伝えました。
担任の先生も、お母さんがアル中らしいことは
知っていましたが、
自分が買ってきた修学旅行のおみやげで、
家のテーブルを叩き壊されたO君を思って、
絶句しました。

その後、担任がお父さんと連絡を取ったり
管理職にも伝えて
市の担当課に、その家庭の見守りを
お願いすることになりました。

お父さんや、おじいちゃんおばあちゃんは
学校にも協力的で、子どもたちを
よく守ってくれましたが、
アル中で酒乱のお母さんを、
病院へ連れて行くのは
とても難しいようでした。

お母さんは、しらふの時には
元気が良くて、明るくて
料理が上手だと、O君が言っていました。
お母さんのことを
決して嫌いなわけではないので
よけいにO君が気の毒でした。

別の日にもO君は、体調不良を訴えて
保健室にやってきました。

前日に、家族で外食したのだけれど、
そのお店で、お酒を飲んだお母さんと、
お父さんが、ささいなことで大げんかになり、
お母さんが暴れそうになったから、
家族でお母さんを引きずり出して、
ごはんどころじゃなかった。

そのお店には、同じバレーボール部の
友達とその家族がいて、
すごく恥ずかしかった、と。

その日O君は、一時間だけ
保健室でおしゃべりをして、
教室に戻っていきました。

つづく








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