Netflixで「エルビス」(監督:バズ・ラーマン)を観ました。
アメリカの伝説的ロック歌手 エルヴィス・プレスリーの伝記映画ですね。
プレスリーといえば、「キング・オブ・ロックンロール」と称され、ギネス・ワールド・レコーズでは「史上最も成功したソロ・アーティスト」として認定されています。
ただ、私が音楽にはまり始めたときはビートルズがデビューしたばかりで、プレスリーはすでに過去の人とみなされていました。
そして、しばらく噂を聞かなかったのですが、有名なテレビ番組「'68カムバック・スペシャル」で完全復活を遂げています。
それはいいとして、映画ではプレスリーのデビュー当時の姿を紹介していますが、私の知っているものとは少々違いました。
たとえば映画ではプレスリーはずっと黒髪ですが、たしか最初は金髪だったと思います。
また、彼の音楽業界との最初の関わりは、母親の誕生日プレゼントにするためのレコード制作のはずですが、このエピソードも省かれています。
まあ、映画に何もかも盛り込むことはできないでしょうから、仕方ないのかもしれませんが。
主演のオースティン・バトラーはなかなかの熱演で、若いころのプレスリーのステージパフォーマンスをよく再現していました。
ただ、雰囲気は後半のラスベガスで公演をするようになり、徐々に疲れ切っていくときのほうが似ていたかな。
ところで、プレスリーは人間関係に恵まれなかったようです。
彼は重度のマザコンでしたが、その母親はアル中でそのためか52歳で亡くなっています。
父親も犯罪歴があるばかりか、プレスリーが成功してからは、彼の会社の社長を務めるものの、経営手腕はまったくなく、会社は借金で倒産寸前でした。
要するに息子に寄生するだけの存在だったわけです。
そして、有名なパーカー大佐がいます。
一言でいえば、悪徳マネージャーですね。
彼は映画でも舞台回しを務めていますが、プレスリーの人生に大きな役割を担っていました。
もちろんプレスリーのショービジネスでの大成功は彼の手腕に負うところが大きかったことは否定できませんが、マイナス面もそれ以上に大きかった。
たとえば、マネージメント料としてなんと50%もポケットに入れていました(通常は15~20%程度)。
また、ラスベガス公演の大成功に気を良くしたプレスリーが世界ツアーを提案しますが、パーカー大佐は絶対に許そうとしませんでした。
その理由を外国では万全のセキュリティが確保できないからとしていましたが、実際には彼は無国籍者でパスポートを持てず、アメリカから出国することができなかったからなのです。
パーカー大佐はオランダからの違法移民で、大佐との呼称も本人が勝手にいっているだけで軍には彼の記録は一切なかったとのことです。
そして、プレスリーは一生彼に搾取され続けました。
なぜクビにしなかったのかと疑問に思うでしょうが、彼は恐ろしいほど口が上手いため、プレスリーはまったく太刀打ちできず、いつもいいくるめられていたんですね。
そして、プレスリーは不摂生と薬の過剰摂取のために42歳で亡くなります。
最後に書いておくと、映画のレビューでは、プレスリーを過剰に持ち上げたものが多いのですが、私はそれほど彼の歌は好きではありません。
パフォーマーとしての天賦の才と類まれなセックスシンボルであったことは認めますが。
彼がステージで歌うと熱狂した女性ファンがパンティを脱いで、彼に向かって投げたというのは有名な話です。
プレスリーのステージは今でも動画等で見ることができますので、興味がある方はご覧になってください。
では