宅配の達人

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コラム
 一時期宅配業の委託をやっていたことがあるのでその時の話を少し。
 短い期間ではあったが、実際にやってみての感想は思ったより面白い、そして人によってはハマるだろうということだ。通常は割とのんびりとしたペースでやっていたのだが、お中元やお歳暮の時期の所謂繁忙期にはいるとガラッと様相が一変する。荷物の量が半端じゃない。一日の時間は限りがあるし、しかも日付指定も時間指定もある。時間に追われまくるのだ。
 仕事に慣れたつもりでもパ二くりながら配達するはめになるのだが、何故か気分が高揚する。思うにこの時大量のアドレナリンが分泌されているのだろう。加えておわった時の達成感。中毒性があり病みつきなるのだ。案外この手の人、他にもいると思う。
 そんな現場にかなり年配の方が二人いた、一人は男性で一人は女性。おじいちゃんとおばあちゃんと言っていい年齢だ。はじめはこんな年齢の人が大丈夫なんだろうかと思ったのだが・・・このお二人只者じゃない。
 仕事の流れとしては、まず積み込み。時間指定なども考慮しながら、荷台の手前の方に前半の荷物、奥の方に後半の荷物、これを配達しながら均したりして仕事を進めていくのだが、ここを適当にやっちゃうと後で苦労する。数ある荷物の中から捜索する羽目になる。まずこの積み込みの段階で全然違う。とにかく段取りがいい。我々は出発前に地図を広げてルートの確認と頭の中で予定を組んだりするのだが、そんなこともしない。
 それでも出発する時間は大体横一線なので(出勤時間、子供の登校時間が終わる頃に合わせるので)体力で勝るこっちの方が早く終わるだろうと思っていたら大間違い、仕事が段違いに早い。
 後々仲良くなって話してみたがやっぱり凄い。お客さんの不在時間を把握してるどころか、何々町何丁目の何々さんは何時から何時までは何丁目の職場に居るとか、誰々さんは何時から何時まではだいたいどこそこの喫茶店にいるとかまで知ってる。我々が無駄足運んで不在表切ってるのに対してお二人は、臨機応変に職場や出先に行っては荷物を減らしていたのだ。かなうわけがない。
 お二人が重ねてきた経験は、やる気や体力で太刀打ちできるようなものでは無かった。勉強させていただきました。
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