開業時の年齢は「40歳代」の割合が36.9%と最も高く、次いで「30歳代」が31.3%を占めている。開業の主要な担い手は「40歳代」「30歳代」であるという傾向は長期的に変わらない。
開業時の平均年齢は43.7歳で、2020年度と同じ水準となった。平均年齢は2013年度以降上昇する傾向にある。
開業者に占める女性の割合は20.7%である。調査開始以来、女性の割合は緩やかな増加傾向にある。
勤務キャリアをみると、「勤務経験」がある開業者は97.2%、「斯業経験」がある開業者は82.2%である。経験年数平均は「勤務経験」が20.6年、「斯業経験」が15.1年であり、多くの開業者はビジネスの経験を有している。
開業直前の勤務先を離職した理由は、「自らの意思による退職」が83.8%と大半を占めている。「勤務先の倒産・廃業」「事業部門の縮小・撤退」「解雇」を合わせた「勤務先都合」による離職は10.0%と、2020年度より増加した。
開業動機は、「自由に仕事がしたかった」(54.1%)、「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」(47.3%)、「収入を増 やしたかった」(43.4%)の順に多い。
現在の事業に決めた理由は、「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」(43.8%)、「身につけた資格や知識を生かせるから」(19.4%)、「地域や社会が必要とする事業だから」(15.9%)の順に多い。
開業業種は、多い順に「サービス業」(28.1%)、「医療・福祉」(17.4%)、「飲食店・宿泊業」(14.7%)となっている。「サービス業」の割合は2018年度以降高まる傾向にある。
開業時の平均従業者数は3.2人であった。
開業費用の分布をみると、「500万円未満」の割合が42.1%と最も高く、次いで「500万~1,000万円未満」が30.2%を占めている 。「500万円未満」で開業する割合は長期的に高まる傾向にある。
開業時に苦労したことは、「資金繰り、資金調達」(57.6%)、「顧客・販路の開拓」(44.8%)、「財務・税務・法務に関する知識の不足」(38.4%)などとなっている。
開業の総合的な満足度は、「かなり満足」が25.8%、「やや満足」が44.1%で、二つを合わせた「満足」の割合は69.9%であった。この割合は、2019年度(70.7%)、2020年度(73.2%)と、ほぼ同じ水準となっている。