まず、全回答者(1,000 名)に、新規の仕事の取り方を聞いたところ、「既存の顧客から紹介してもらう」(32.6%)が最も高くなりました。次いで高くなったのは、「友人(フリーランス仲間除く)に紹介してもらう」(28.8%)、「フリーランス仲間に紹介してもらう」(25.9%)、「以前の勤め先から仕事をもらう」(17.0%)、「以前の勤め先の取引先から紹介してもらう」(13.8%)でした。既存の顧客や友人、フリーランス仲間からの紹介といった方法が上位に挙がり、仕事やプライベートを通じて構築した様々なネットワークを活用することによって、新しい仕事を受注している実態が明らかになりました。
世代別にみると、20 代では「SNS・ブログで募集をかける」(27.3%)、30 代では「クラウドソーシングを利用する」(28.9%)が、それぞれ全体と比べて高くなりました。若年層のフリーランスには、インターネット上のネットワークやプラットフォームを利用することによって、仕事を請負う機会を得ている人が多いようです。
全回答者(1,000 名)に、フリーランスとしての働き方について、どのくらい満足しているか聞いたところ、【仕事全体的に】では「非常に満足している」が 13.3%、「やや満足している」が 38.1%で、合計した『満足している(計)』は 51.4%、「全く満足していない」が 4.3%、「あまり満足していない」が 10.1%で、合計した『満足していない(計)』は 14.4%となりました。
仕事内容別にみると、満足している人の割合は、暮らし・学び関連(62.1%)とコミュニケーション関連(64.3%)では 6 割超となった一方、ものづくり・ものはこび関連(38.5%)では 4 割未満にとどまりました。仕事内容により、フリーランスとしての働き方の満足度に格差が生じている実態が明らかとなりました。
コミュニティへの参加状況別にみると、満足している人の割合は、コミュニティへ参加している人では60.6%、コミュニティへ参加していない人では49.2%と、参加している人ほど仕事全体の満足度が高くなりました。
【仕事内容・質】では『満足している(計)』は 53.6%、【就業時間】では『満足している(計)』は 55.4%と半数を超えたのに対し、【収入】では『満足している(計)』は 20.9%と 2 割にとどまりました。フリーランスとして働く人の収入満足度は低いことがわかりました。
また、【働きがい・やりがい】では『満足している(計)』は 61.6%、【働きやすさ】では『満足している(計)』は67.5%、【プライベートとの両立】では『満足している(計)』は 65.3%と、いずれも 6 割を超えました。フリーランスとして働く中で、働きがいや働きやすさ、ワークライフバランスに満足感を抱いている人は多いようです。
フリーランスとして働くにあたって、どのようなことが不安要素となっているのでしょうか。全回答者(1,000 名)に、フリーランスを続ける上での不安や悩みを聞いたところ、「収入が不安定・低い」(56.8%)が最も高くなりました。フリーランスとして仕事を続ける上で、安定した収入や高収入を得られないことに不安を抱いている人が多いようです。次いで高くなったのは、「仕事がなくなったときの保障がない」(49.7%)、「社会保障(医療保険・年金等)が不十分」(25.4%)、「仕事の受注が難しい」(20.4%)、「社会的信用が低い」(19.4%)でした。男女・世代別にみると、30 代女性では「出産・育児の支援制度が不十分」(9.4%)が全体と比べて高く、出産や育児の際の支援に対し不安を抱いている人が多いとわかりました。
最後に、全回答者(1,000 名)に、フリーランスがより働きやすくなるために必要だと思うことを聞いたところ、「フリーランスが利用できる福利厚生」(43.6%)が最も高くなり、「所得が補償される制度・仕組み(病気やケガで働けなくなった際の所得補償)」(35.7%)、「雇用保険のような制度・仕組み(失業中の生活の安定を図るための仕組み)」(32.9%)、「フリーランスが団体扱いで加入できる共済・保険」(29.7%)、「確定申告に役立つ情報の提供」(19.3%)が続きました。男女・世代別にみると、20 代女性では「フリーランスの妊娠・出産・育児に対する制度(給付金や休暇等)」(36.8%)が約 4 割となりました。