ゲイ大学生の初恋と失恋

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前回の記事では、僕が初リアル(はじめてゲイの人と会うこと)をするまでのことを書いています。そちらも合わせて読んでいただけると内容が繋がりやすいと思います。


僕のゲイの人への初恋は、その初リアルで出会った彼でした

恋愛経験が皆無な自分にとって、初めて出会ったゲイが容姿端麗。そして、自分に優しくしてくれる。好きにならない要素がなかったですね。

間が空くこともありましたが、二週間か三週間に一回ペースくらいでは彼と会っていたと思います。

関係性は、仲のいい先輩・後輩の関係に近かったと思います。

大学生活の話、ゼミの話、サークルの話、バイトの話、就職活動の話などいつも他愛のない話をしていました。

外で飲むことが多かったですが、たまに宅飲みをして彼の家に泊まったり、彼が自分の家に泊まることもありました。

いつも同じベットで一緒に寝ていましたが特別なことが起きるわけでもなく何もないまま、いつも通りの朝を迎えていました。

でも一度だけ、僕から彼を誘ったことがあります。

初めて彼の家に遊びに行ったときのことでした。その日は彼の家でお酒を飲みました。たくさん飲んでお互いかなり酔っていたと思います。
そして流れで、そのまま彼の家に泊まることになりました。


好きな人の家に泊まる。とても緊張していました。


彼の家には来客用の寝具がありませんでした。

「一緒の布団でいいよね。」

僕は、当然のようにベッドに招かれました。

シングルベットに大人の男性が二人。狭くて必然的に肌が触れ合います。

彼の体温が伝わってきて、心臓の鼓動が高なっていました。

そんな状況で眠れるわけもなく、静かな部屋で彼の息遣いを聞きながら時間だけがゆっくり流れていました。



「もう、寝た...?」


「んー、寝そうだった。どうしたの?」


「あ、ごめん。寝たかなと思って。」


「んー、そっか...」


しばらくして、僕から彼に声をかけました。
彼は、すぐにでも眠ってしまいそうでした。
そんな反面、僕の心臓の高鳴りは止む様子はありません。
お酒の酔いもあり、考えれば考えるほどに自分の気持ちが抑えきれなくなってきました。


「ねえ...。キスしてみてもいい?」


唐突に、彼に言いました。

心臓がはち切れそうなくらい早く動いていました。



「いいよ」



彼は軽い感じで答えて、キスをしてくれました。

初めてのキスでした。

どういう感じだったかはよく覚えていないけど
すごくドキドキしたのだけを覚えています。

幸せな時間でした。

そして気がついたら眠ってしまっていました。

彼とのキスはそれが最初で最後でした。彼はかなり酔っていたので、キスをしたことを覚えていたかはわかりません。

朝起きてから、彼がそのことについて触れることもなかったですし、自分からも話題にすることはありませんでした。なんとなく触れてはいけないことだと思ったし、その当時の僕は大好きな人とキスをできただけで満足していました。


そして月日は流れ、彼と出会って一年半が経過がしました。

彼は大学4年生。4月には就職で東京に行くことが決まっていました。
2月、バレンタインデー付近で彼と会う約束をしました。手作りのチョコレートを渡し告白して、この一年半の自分の気持に決着をつけようと思いました。

でも実際に彼を目の前にすると、自分の思いを伝えるタイミングがつかめなくて
結局なにも言えず、チョコレートも渡せずに解散しました。

彼に告白する勇気が足りませんでした。

自分に自信を持てないことが、とても悔しかったです。
悔しくて泣きました。
渡せなかったチョコレートを自分で食べながらひたすら泣きました。

3月にも最後に会える機会がありましたが、そのときには意気消沈してしまい、告白しようとする気にはなれませんでした。

しっかり笑顔で見送って、感謝の気持ちを伝える。

それが彼のために自分がすべきことだと思いました。

百貨店で少しいいボールペンを買い、それを就職祝いに彼にプレゼントしました。そして再会を約束し、彼と別れました。


これが僕の初めてゲイの人を好きになったときの話です。


彼とは今でも親交があり、15年の付き合いになります。
(年齢がバレますね…。)


当時のことは笑い話として話せるくらい、いい関係です。


あのとき、告白してたら付き合ってくれてた?と聞くと「もちろん。断る理由がないやん。」と言ってくれます。
(本当かどうかはわかりませんが。笑)

今となっては恋人同士になれなかったからこそ、今のいい関係に発展できたのだと思います。

15年、変わらず友人でいてくれる彼に感謝です。
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