ビジネスモデル紹介vol19_きのとや

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ビジネス・マーケティング

📚はじめに

 番組を見終わってしばらく余韻に浸ってしまった。社長と社員とお客様の絆が透けて見えたからだ。
 札幌で絶大な人気を誇る洋菓子店の「きのとや」。今や大手百貨店にも並ぶまでになっているが、創業から幾多の困難を乗り越え、そのたびに社内の絆が深めていった感動の物語。

📚ビジネスモデル紹介

きのとや.PNG

 創業1983年、立地が悪い地域に出店したこともあり、店に来る顧客は少なかった。そこで、業界初の「ケーキの宅配」を行うことで、売上を上げていった。札幌の冬は厳しい。雪の中、家まで運んでくれるサービスは人気となった。

 以降、2度の大きな困難とそれにどのような対応をしていったのか紹介する。
①クリスマス不届け事件
 1つ目は、創業から2年目。クリスマスケーキの注文が1日2000個入った。しかし、ケーキを作る時間の見積もりを誤ってしまい、クリスマスイブの夜になっても、500個余りは手つかずの状態だった。クレームの電話が鳴り続け、店舗まで押しかけてくる人まで現れた。バイトの子で、泣き出す人もいた。
 クリスマスイブは終わってしまったが、後からすべてのお宅に社長自らケーキを持って訪問し、謝罪しに回った。以降、クリスマスイブはケーキの注文は受けないというルールを定めた。

②サルモネラ食中毒事件
 業績が上がってきた1997年7月29日、卵の殺菌温度調整ミスから、ケーキを食べた101名もの客が食中毒の症状を訴える自体となった。このお客様に対しても、社長自ら1件1件謝罪しに回った。
 誰がミスをしたかは分かっていたが、その人のミスではなく、すべての責任は自分にあると社長は語った。

以来、製造現場の衛生管理を徹底した。靴の裏まで必ず洗うルールを作るほどの徹底ぶりだ。工場には今でも、「1997年7月29日を忘れるな」と書いた張り紙が掛けられている。
 このような真摯な対応が功を奏し、再開を待っていたお客さんが戻ってきた。おいしさはもちろん、安全安心を第一に掲げるケーキ屋として、札幌市民に愛されている。

📚ひとこと

 社長の姿勢や行動が、社員と社長の絆を深めていった。「謝罪」「反省」「改善」を社長自ら行うことで、社員にも思いが伝わっていく。
 常に、困難なことにも正面から取り組む姿勢が、きのとやの社員が同じ方向を向いて、運営ができている秘訣だと思った。

📚参照
カンブリア宮殿_2014年7月17日放送
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