メールこそ「トーン」に気を配ろう

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カスタマーサポートも、今ではメールでの問い合せがほぼ主流になってきましたね。コロナ禍以降は、コンタクトセンターにあまり人員を配置できないことも原因のひとつのようです。

クレームや問い合わせのお電話の場合は、お客様と直接会話をするため、お客様の温度感がすぐにわかります。でもメールの場合はそうもいきません。

中には「大至急返信してください」「電話がつながらないのはどういうことなのか」というように、文面から「お怒りだな」とわかるものもあります。

けれども「お忙しい中恐縮ですがご回答をお待ちしております」とビジネスメールのような書き方の場合、お客様のお困り度やお怒り度は、現場のサポートにはわかりにくい場合もあります。

一見「普通」の問い合わせだと思って型どおりに返信したところ「それでは○○ということなのですか」と急にメールの感じが変わることもあるのです。

エスカレーションしてしまうと後が大変になるのは目に見えていますので、そうならないためにどうするかと考えるわけですね。

一言でいえば「直接お話しするときと同じ気持ちでメールを返信する」ことでしょう。

お客様がどのレベルの困っている状態なのかがわからない以上、こちらとしては「お怒り」レベルで困っているのだと考えて返信するとよいでしょう。

もちろん、何でもお客様の要望通りにするということではありません。丁寧に時間がかかってもお客様がご納得くださるようにご案内する、というスタンスで返信するのです。

以前、私がメールである会社に問い合わせをしたことがあります。商品の返品に関してこちらの困りごとを伝えたところ、事務的なメールが返信されかつ新たに注文した内容をキャンセルされてしまいました。

私自身はキャンセルしてほしかったわけでもなく、キャンセルを希望するともメールには記載していませんでした。

結局、メールのやり取りでは収拾がつかず電話でお話しすることになりました。

結果として、私の困りごとを聞き入れてくださったわけですが、少しも嬉しくなかったことを覚えています。そこでは二度と買い物をする事はありませんでした。

型どおりの対応は大変なリスクを伴います。

この事は、私自身の大変な反面教師となっています。だからこそメールの返信では「トーン」に気を配っています。

定型文で返答できる内容の場合は別として、個別に対応が必要な案件の場合は、何度も読み直してからお客様に返信します。

お客様が「お怒り」レベルで困っていても、この文面を読んで「なんで?」とさらに気分を害したりしないか、内容は質問にあっているか、おそらく次にあるであろう質問を予想した回答をお伝えしているか、と自問するのです。

メールは記録だけでなく心にも残ります。お客様が「それなら仕方ないな」と思ってくださるようなメールを心がけたいものです。


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