学習塾やその他習い事など「教えること」を仕事にしたいひとへ。

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「教える」という社会貢献


学習塾というと学校の勉強を教える「先生」のイメージを持ってしまいがちで自分にはちょっと無理だろうなと感じてしまうかたもいるかもしれませんが,「先生」を実現するのは実はそれほど難しいことではありません

誰しも慣れ親しんだ知識や技術を持っていて,それはあなたにとっては「あたりまえ」でも,これまで触れてこなかったひとたちにとっては,あなたが「先生」たりえる強みでもあるからです。

学校で教科書の勉強を教えるプロフェッショナルは間違いなく教師ですが,あなたがつくりたい学習塾はそれ以外のことを教える,あるいは感じる,伝える,創ることができれば十分に「先生」たりえると僕は思っています。

学校の勉強で言えば,現在の公立小中学校の在り方をふまえれば,その構造上,ボリュームゾーンを中心に据えた授業にならざるをえませんし,限られた時間の中で能力も理解度も異なる子どもたちすべてをしっかりとハンドルすることは難しいでしょう。

同じ時間で理解できる子ども,できない子どもがいます。

教科,科目,分野によってそれが入れ替わります。一度出遅れた子どもたちは,授業内でその遅れを取り戻すのは困難です。

今の社会では「50mを20秒で走る子ども」に「なんで10秒で走れないんだ,がんばれ」とは言わないのに「50個の単語を1日で覚えられない子どもには,なんで覚えられないんだがんばれ」と言うのです。得手不得手は,勉強においても同じなのに,勉強だけは誰でも同じぐらいできるようになると考えられているのです(努力することが無価値であると言っているわけではありません念のため。時間を掛ければ一定のレベルに到達することは可能です)。


勉強が苦手な子どもは,得意な子どもたちと同じ時間では,同じレベルにまで達することはできません。学校の授業だけではそもそも難しいのです。


だとすれば,学校の先生方のウィークポイントを学習塾がフォローすることが社会への貢献になります。公の手からすり抜けた子どもたちに手を貸してあげること,最低限の教育を事実上受けられない子どもたちにとって救いの手になります。

そのとき,たとえば自分の学力が低いことは「教えられない」ことにはなりません。教えられることは多少の別はあってもひとつもないなんてことはありません。教えられることだけ,教えてあげたら良いのです。

いいえ,教えてあげなくても見守るだけで十分「先生」になることはできるかもしれません。子どもたちが何を求めているかに応えてあげられればそれがあなた独自の「先生」要素になるのです。




学校の勉強でなくったってかまいません


先生は,子どもたちだけのものではありません。大人だって知りたいこと,習いたいことあります。

あなたが好きなことを教えれば良い。

それを「知りたい」「学びたい」「楽しみたい」と思っているひとは必ずいます。



オンライン授業という在り方は「ゼロ距離」という最大最強の能力を否応なく一般化しました。

距離の壁がなくなったことは,商圏を限りなく無限大に近いものにしたのです。

これはつまり,大手やフランチャイズを超える可能性を個人が手に入れたことを意味します。スケールメリットを超えるチャンスはここにあります。

どんな場所に居てもスクールが成立するのなら,どんなニッチな条件でも商品になるということです。学びたいひとは世界中にいます。ターゲットは絞れば絞るほど良い。教えられることは,極振りすればするほど良い。他の誰も教えられない「あなたの普通のこと」を知りたがっているひとがたくさんいるんですから。


そしてどうかそのニッチな技術や知識を,できれば安売りしないでください。教えることは責任を伴います。先生である以上
,生徒としっかり向き合う責任を持たなくてはいけない。だからこそ,自分の技術や知識を安売りしないで欲しいと思います。

社会貢献は,無償提供にあらずです。



自律分散社会は個人貢献の範囲を自由に決められる。


さらに個人で先生をやってみたいと思っているひとにとって,莫大な売り上げは不要であることをメリットとして付け加えておきましょう。

企業は従業員を抱えていますし,社会から求められることも多岐にわたりますから,ほどほどで停まることはできず,その経済圏を可能な限り拡げていく必要があります。成長することを止めたり,途中で足を止めることはできないのです。世界をより幸せにしていきたいと願う組織であれば,なおさら前へ進み続けなくてはいけません。それが確かな喜びでもあるのです。

したがって持続可能であることは,社会に対する必須条件です。

しかし個人は,最小限の狭い範囲への貢献を安定供給だけを目指して,拡大しないことができます。極端に言えば,みなさんが個人的に影響を与えることができる範囲だけで社会貢献することが可能です。

市場価値を大きくする必要もありません。


自分ができる範囲で,できることをすれば良いのです。
自分と自分に関わるひとたちの幸せだけを考えることもできます。できないことや手が届かない範囲に対して責任を持というというのは,むしろ無責任なことになるので,してはいけません。

売上は多ければ多いほどいいのでは?

と思うかもしれませんが,そう考えていないひともいます。純粋にいっしょに学びたいだけのひともいますし,生徒たちに何かを伝えることができればそれが幸せだというひともいます。


期待する売り上げは,ひとによって異なり,個人塾はそれを許容します。
自分の想いを曲げてまで売り上げを伸ばす必要はないのです。

それが個人スクールの強みでもあります。

反対にもしも学習塾を開校し,世界中の子どもたちを幸せにしたいと願うひとがもしもいらっしゃいましたら,一度ご自身と相談し直すことをおすすめします。

目的をしっかりと見直して,適切なルートを検討し直すべきです。

いつでもご相談にのりますので,是非是非ご連絡ください。



学習塾を開校することは,目的を達成するための手段であって欲しいと思います。ご自身の知識や技術を社会に役立てたいと考えたいと思ったなら,もう一度「できること」「やりたいこと」「やるべきこと」を落とし込んでいきましょう。

学習塾を開けばそれでOKというのなら,どうあれ開けば良いのですが,僕は自分が関わる新しい先生たちには,その先に「社会への貢献」や「家族への貢献」,「自分自身の幸せ」を願って欲しいと思います。具体には次の3つに集約されます。


1.単純に利益をあげて欲しいということ。
自分が必要な分だけでいいのです。必要な売上額を達成するための方法を考えます。経済活動を無理をして拡大する必要はありません。求められれば応じることはあっても,応じなくてはならないことはありません。自分の幸せと他者の幸せは等価ですから。
利益を生むことは目的ではなく目標であり,ひとつの要因です。



2.生徒のみんながそのサービスで少しでも幸せになること。
サービスを受ける者が幸せにならなければ,その事業は失敗です。短期的に成功したようにみえてもそれは失敗です。中長期的にはうまくいかないと思うので,改善するか,やり直す必要があります。それでも良いというものは自律分散社会への貢献にはなりませんから,オススメしません。



3.利益を別のカタチで社会へ循環させること。
利益は社会へ循環させてください。

流れをつくって欲しいのです。長い間滞留させてしまえば,空気はよどみ,汚れ,腐ります。その前に循環させることが,自分の事業を発展させることに繋がります。

必要以上に発展しなくても良いのですが,そこに留まる「現状維持」は「発展しない」にはならず「後退」します。少しずつ変化し,適応・順応していくことは必要です。川の流れを留めてはいけないんですね。



一歩だけでも進んで欲しい


自分のできることを,できる範囲で,自分とそれに関わるひとたちを幸せにすることが自律分散社会の目指すところです。個人は個人が目指す範囲で自律的に活動し,その結果,全体に利益をもたらす。

そのためには,我々が誠実に真摯に自分の仕事とそれに関わるひとたちと向き合う必要があるのです。

個人の学習塾やスクールは開業は,これをしっかりと体現できます。実感を得ることができます。みなさんにとってのやりがいが得られるかどうかは,僕にはわかりませんが,ご自身の胸に手を当てて,理想とするイメージを自由に想い描いてみてください。

そのとき,あなたの胸は躍りますか?ワクワクしますか?


もしワクワクするのなら,頭の中がモヤモヤしているままでもかまいません。一度僕にご相談ください。その結果どうなるかはわかりませんし,どのような気持ちが生まれるかも確かなことはわかりません。進むも,戻るも,まずはご自身の胸の内をしっかりと理解してから考えればよいのです。

ワクワクをそのまま放置しておくなんてもったいないです。
ぜひそのワクワクを聴かせてください!!




以下参考

学習塾やスクール系の開業についてメモ
いわゆる学習塾:補習塾と言われるこのタイプがたぶん一番世に多い塾だと思います。学校の勉強の補完をします。

中学受験塾,難関高校受験塾:難関高校や大学,中学の受験はそれに特化する必要があります。勉強を教えるのではなくて,受験のための技術を教える塾です。

高校生向け学習塾:受験勉強をふまえて運営,近年伸びつつあります。小中学生の人口が減っていて,学習塾市場が小さくなっているため,単価を上げやすい高校生に主たるターゲットをシフトしつつありますね。

小規模学習塾:あいた時間で近所の子どもたちの宿題をみてあげたり,英会話が得意なひとが数人を相手に教えてあげる小さな塾です。規模が小さいのでマイナスになりづらいです。
習字とかそろばんとか料理とか:各種スクール系は,本当になんでもできると思います。必要なノウハウは,無料でいくらでも手に入りますから,大事なのは「いっしょに考えてくれるパートナー」です。

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