ティンホイッスルについてー1.楽器の基礎知識ー

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音声・音楽
こんにちは。笛を吹いているリョウです。

笛の中でもフルートとティンホイッスルをメインに吹いています。一般的なフルートはオーケストラでもよく見る横笛ですね。そしてティンホイッスル、こちらが今回の主役です。

ティンホイッスルはアイルランド音楽で使用される縦笛です。
今回はこの楽器の基本的なことについてご紹介します。

外見

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自分が所有しているティンホイッスルの一部です。
長さ30cmほどの非常に細い縦笛です。一般的には裏側に穴は開いてません。前面に開いている6つの指孔だけで演奏することになります。リコーダーのように息を吹き込めば音は鳴りますが、リコーダーよりも指孔は少ないです。

主に真鍮やアルミ、ニッケルなどの金属や樹脂でできています。数は少なめですが木製のものもあります。安価な量産品は5千円以下で手に入り、品質は個体差がありますが、演奏を楽しむ分には全く問題ありません。もう少し高価な笛は、音程、音色などの面で優れています。

ちなみに、画像の1番上の1本が量産品のホイッスル、2本めがアメリカの有名な職人さんが製作した笛、3本目がアイルランドの会社さんが製作した笛です。4本目は実は詳細がわかっていませんが、多分アイルランドの会社さんが制作したものではないかなと思います。
それぞれに個性があり、その都度最適だと思う笛を使用しています。

出せる音、音域

6つしか指孔がないので、ピアノのようにいろんな音を自在に出すことはできません。一般的なティンホイッスルは「D管」と呼ばれるもので、Dメジャー・スケールと「Cナチュラル」が吹けます。これ以外の半音は「出せない」と考えた方が良いです。どうしても必要なら指孔を半分開けたりして出すことになりますが、良い結果にはなることは稀です。

音域はDから13度、つまり1オクターブと6度上のBまでが一般的です。それ以上の高音が全く出せないわけではないですが、「サポートされていない」と考えた方が良いですね。音量、音色、音程ともに大変なことになります。
ちなみに最低音のDはピッコロの最低音Dと同じ高さです。

最近は楽曲が複雑になることもあるためか、リコーダーみたく半音が出しやすいようにダブルホールを備えたもの、Cナチュラルをより安定して出すためのサムホールを備えたものも制作されています。ただしあまり一般的ではありませんし、現在は自分も所有していません。アイルランド音楽に限定すれば、こういった笛はあまり必要になりません。

移調管

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ティンホイッスルはいろんな長さの笛が制作されています。「移調管」と呼べるようなもので、同じ運指で異なるキー、異なる音域で演奏できるので、ティンホイッスル演奏家は沢山の笛を所有されていることが多いです。

画像は、所有しているBb管、A管、G管の写真です。大きくなるほど低い音が出せますが、指孔の間隔もどんどん広がっていきます。
※今年は移調管を増やそうと計画しています。

管楽器では「移調管」は馴染みのあるものですが、ティンホイッスルの場合はあくまでD管が基準になると考えたほうが良いですね。

なお、アイルランド音楽の多くはD管ティンホイッスル1本で演奏できる曲がたくさんあります。まずはこの1本があれば困ることはないでしょう。
アイリッシュ以外も吹きたい!という人も、まずはD管で楽器に慣れることをおすすめします。

ちなみにティンホイッスルより1オクターブ低いD管は「ローホイッスル」と呼ばれます。こちらの最低音Dはフルートの最低音域のDと同じです。
指孔の距離が遠く、指先で指孔を塞ぐことはできませんので、関節と関節の間とかで塞ぐ必要があります。コツを掴んで慣れるまでが大変です。

大まかな説明はこんな感じです。いかがでしょうか?
楽器紹介というよりは作曲者向けの解説みたいになっている気もします。
楽器法ティンホイッスル編みたいな。

しかし、ティンホイッスルの奥深いところはこの先にあります。
次回以降に書いていきたいと思います。
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