”仕事のやり直し” は悪いこと?

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ビジネス・マーケティング
最近、労働生産性向上の必要性が叫ばれています。それは必要なことかと思いますが、時々、“仕事のやり直しをなくす”ことと混同されているのでは?と感じることがあります。
それらは本来別のことであり、“仕事のやり直しをなくす”ことは必ずしもよいことばかりではない、と僕は思います。それは、“仕事のやり直しがゼロ”とはどういう状態のことかを想像してみるとご理解いただけるかと思います。

まず始めに、仕事のやり直しはなぜ発生するのでしょうか?

事例として、「社内資料の作成」について考えてみたいと思います。 やり直し発生の要因としては、①上司の指示があいまい、②上司が細かな部分まで指摘しすぎる、③上司が初めに指示したことと違うことを指摘する、④-1 部下の思慮が足りない(上司が作成するのと同等レベルの資料に仕上げてから提出すべき)、④-2 部下の仕事のやり方がいい加減、......

―他にもあるかもしれませんが、どれも他責(部下からすると上司のせい、上司からすると部下のせい)ですよね。  


違和感はありますが、更に進めてみたいと思います。 

では、仕事のやり直しをゼロにするにはどうしたらよいでしょうか?

①上司が期待する出来上がり資料の細部まで初めから指示する、②上司が資料の出来が多少悪くても目をつぶってそのまま承諾する、③上司は一旦指示を出したらいかなることがあっても指示内容を変更しない、④上司はできる部下にしか資料作成を指示しない。⑤部下は、少し迷うことがあったらすぐに上司に指示を仰ぐ、......

―部下は、まるで上司の手足みたいですし、いかにも機械的に仕事をこなしているだけですよね。果たして、上司も部下もこんな世界を望むでしょうか? そこに、部下の成長ややりがいはあるのでしょうか? 

それに、ここまでくると、”いい仕事を効率よく行う”のが目的なのか、”やり直しをなくす”のが目的なのか、わからなくなってきます。いい仕事をしなければ、いずれ、やり直しできる仕事もなくなってしまうと思いますが・・・。

自分なりに一生懸命(いい仕事に)仕上げようとしたからこそ、上司からの指摘に対して、「ここが足りなかった」とか「次からはこうしよう」とか、一発OKをもらえた時には「やったー」とか、いろいろな気づき・学び・喜びが生まれるのではないでしょうか。 “仕事のやり直しゼロの世界”、僕は勘弁です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。このことから、少しでも新たな気づきや考える上でのヒントに繋がることがありましたら幸いです。
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