本物の知恵育て・教育とは

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以前反抗・抵抗の連続で、全くいうなりにならないお子さんについてご相談されていったお母さんから、今週、お礼とその後のお子さんの報告がきました。
周りのエスカレーター式の教育を目指す早期教育はすでに昭和の遺物である、と知ったお母さん。子供の発達段階があること、現代では個性に合わせカスタマイズした教育が必要なこと、色々と価値観ごと多くの気づきがあったそうで、プロファイリングの内容は自分の足りない部分や見えていなかった大切なことを突きつけられた気がして、しばらく脱力して落ち込んでいた時期もあったそうです。(すいません、わたし常に単刀直入なのでね・・)

でも、子供が変わっていったのを目の当たりにして、今では知育ではなく、子供の意思を尊重した体験重視の教育に変え、親子で様々なことに挑戦し始めたとのこと。信頼関係が修復されていっているようでした。なにより、当人の親も一緒に子供との体験を楽しめるようになったというのが、一番良かったですね!苦しい子育ては長続きしませんもんね・・。

そう、教育ってね、年齢によって必要なことが全然違うんですよ・・。
もっというと、ひとりひとり違うんだけども・・。
でも大まかにお伝えできることはあります。
お子さんのいる方は、本屋さんでもいいので、小学生のドリルをざっと見て欲しいんです。中学受験のドリルでもいいです。
そして、問題のすべては、子供自身が体験していなかったら、自然には解けない問題であることに気がついて欲しいんです。抽象思考で解く前に、その子の思考の土台に実体験がなければ、何一つ、イメージですらわかない問題ばかりであることに。

例えば、算数なら、1cmがどういう大きさであるのか。
時速40キロってどういうスピード感なのか。
食塩水1%の濃度はどんな味なのか。自宅から学校までの距離と時間はどうやって計算するのか。
一口大に切ってね、って一口って結局どのくらいのことを言うのか。
実際に野山に出かけないとわからない植物の植生、葉っぱの形。
火のおこし方。川の流れる向きや深さ、速さ。地図の見方。
そもそも星座の一等星ってどのくらい明るいのか。

現代の子供はバーチャルの中で生きています。映画は嘘ばかりで、30メーターありそうな崖から人がダイブして生きています。街中で警官が発砲しまくります。チェイスします。飛行機につかまって一緒に飛んでる〜!!
そんなバカな!実体験がある大人は、笑ってしまうような科学を無視したストーリー。
アニメだって嘘ばかり。ガンダムは実際にどのぐらいGがかかるのか、自宅出産でおおかみこどもはどう頑張っても育てられないでしょ・・っていう現実感覚とかね・・。(つくった監督自身が出産知らず、子供も育ててないでしょ・・って言いたくなりました。w)
でも、その明らかな嘘に、実体験の少ない子供は「本当に」気がつかないんです。現代社会は、そういうひとが暗記とテクニックだけで、いい大学出ているかもしれない危険性の方が高い。それらがエリートになってる!!
個人的に思いますが、映画は楽しかったけど、ビリギャルは、地頭の知能指数は高かったのに、もともと小さい頃の地に足ついた実体験があまりに足りなかったのだと思います。

本当の知恵を身につけてほしいと思う今の親御さんには、それくらい今の子供の実体験が少なすぎるんだということに気が付いて欲しいんですよ。自分の子供の時以上に環境が劣化しています。都会に住んでいたら、コンクリートの道しか見えないです。朝夕のバス登園してるだけだと、春特有の植物なんてわからないんです。

わからないから入試に備えて方法だけ丸暗記、では何の身にもならないものばかり。その上に積み上がっていくはずの知恵が今後何一つ育たないってこと。
・・実体験といえば、龍高星が有名ですが星は関係なくすべてのお子さんに五感を使った実体験が今の時代、絶対的に必要なんです。
これからは、それが学力に差をつけますよ。

私自身が私立の進学校に中学受験で入りました。
だからこそ、お受験して入ることのメリット・デメリットがよくわかります。
成績マウントの取り合いになっていく学校社会で、友情の意味や本当の意味での勉強の面白さがわからなくなっていくリスク。親ガチャが差を作る世界。
 それから、実際は科学的には知能指数で生まれながらに能力が決まっていることがわかっていながら、努力で何とかなると教えられて、努力しても何とかならずに劣等感と自己不信で終わってしまうというリスク。
いい大学に行ったら、きっと遊べる!
そう思ってがんばった昭和の子供が今どうなっているのか。
子供時代に欲しかった体験は、大人になってやってみたらあんまり面白くない。なにをやっても自信につながらない。勝ち組って言われても、満たされてるわけじゃない。人の目線ばかり気になる。そして成熟しないまま大人になって、あまり面白みのない人生を送っている人のなんと多いことか!

でも、同じルートを通っても、毎日が楽しくて楽しくて仕方ない大人もいます。その違いは、その人たちは、お父さんお母さんと一緒にちゃんと子供時代をやりながら勉強しているということです。そういう大人は、家族の休暇の遊びのなかで、親に勉強の下地をちゃんとつくられていた人なんです。
キャンプやったり釣りをやったり、山登りに行ったり、シュノーケリングさせたり、自然体験をさせに子供をちゃんと連れ出してる。体験の中で問題提起して、関心を持たせ、教育の種を植えておくんです。

例えば、鉱物に興味を持ったら、家族で採石場の見学に行ったり。化石を掘りに行ったり。海に地層を見せに行ったり。子供にとってはただの遊び。でも、その体験は、将来地学に繋がっていきますよね。そこにお金を惜しみません。
好きな動物ができたら、動物園に実物を見せに行く。餌や糞、体臭を嗅いで触らせにいく。住んでいる場所へ出かけていく。昆虫好きなら、採りに行く。

偶然に子供のアンテナが立ったことをテーマに、親も足を運んで、実体験の中でその子の知識をつなげ、youtubeも辞典がわりにうまく使って、興味の掘り起こしをやっています。
親がこれ見よがしに何かを教えるんじゃなく、子供の興味に親が合わせる休暇の使い方ね・・。

もちろん、うちもやっていますよ。先日、幼稚園児のうちの子供が本屋でドリルを買って欲しいと言うので、買ってあげて、それを家でやっていたんですよ。そしたら、子供はたくさんの種の絵をみて、朝顔はお姉ちゃんが育てていたのですぐにわかったけれど、ひまわりの種はどれかわからなかったんですよね。ああそうか、知っていると思ったけど、ひまわりは体験がなかったなぁ、と思いました。

絵で「これがひまわりだよ」と教えて覚えたってなんの足しにもならないので、その日のうちに子供とリス園に行きましたよ。リス園では放し飼いになっているリスに子供たちがひまわりの種を手にのせ、餌としてやるからです。リスが食べる様子やひまわりが割れて中から身が出てくる様子、温度、匂い、肌触り、リスの重さ、鳴き声、すべて子供の体験と知識になる。
夏になったら、またタネがいっぱい詰まったひまわりを見せてやるつもりです。ひまわり畑も探して、家族で行くかもしれません。そんなことが大事。

子供には抽象思考はありません。すべて体験した事実から答えを引き出すしかありません。小学生までの成績は、頭の良し悪しではなく、要するに体験量なんです。
 だから、「なんでできないんだ!」と子供を叱る前に親御さんは、ちょっと振り返って欲しいんですよ。この子の小さい時、自分たちはそれにまつわる体験を子供に十分にさせてこなかったんじゃないか・・?って。

体験に知能は関係ないです。うちの子供も、次にひまわりが出てきたら、きっとリスとともに思い出を回想しながら回答できると思いますよ。
そして学校に上がれば、授業でやることと、自分が体験したことがつながって、点と点が線になります。そして新たな気づきやひらめきが生まれます。
そういう子供は、思春期を超えて理屈理論の難しい学問になっても、楽しく勉強に取り組んでいくことができます。

実体験から離れた学問は、なにひとつおもしろくありません。
日本の教育の遅れているところは、この生の実体験から知識に繋げるという下地づくりをまったくやってこない部分にあります。だから親がそれをやるしかないんです。学んだことが何につながっていて役立つのかわからなければ、子供が勉強に意味を感じられなくて当然。結果だけを強いられても、困りますよね。

親としては、体験学習はいろんな意味でコスト支払いますがw、でもそっちの方が子供の健全な発達や家族の絆という大きな利益をうむ、先行投資なんですよ。たとえ、お金がなくても、大丈夫。トライアルや無料体験で十分。
十九人の小人問題の子供文化支援プログラムを利用して、うちも著名なクラシックコンサートやバレエに子供をなんどもタダで連れて行きました。
なんでもいいんです。各社の無料体験をふんだんに利用して、子供にできるだけ多くの体験を積ませてあげてください。
無料乗馬体験とか、無料英語体験とか、市民無料のイベント、ボーイスカウト体験とかなんでもいいんですから。
テストの点数に直接つながらないけれども、確実にその子の知恵の土台は育ちます。


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