知っている人だけが得をすること ^_^

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こんにちは。
たなか まり*心のナースステーション*です。


「更年期」や「閉経」という言葉は[終わり]と言う印象が強くネガティブに捉えられやすいですよね。
(※更年期とは45~55歳 閉経をはさんだ5年間でトータル10年を指します。プレ更年期は37歳ころから始まっています。)


ですが、消して悪いことばかりではありません。


子育ても終わり大人としての自由を手に入れ、わずらわしい毎月の生理から解放されたり、経済的、社会的な安定、人としての余裕などを得る
ことができます。


また、身体のことでいえば月経前症候群(PMS)や、生理痛、
月経時の出血の多さに悩まされていた人は、苦痛から解放されます。


さらに、子宮筋腫や子宮内膜症など持病の人は閉経により
落ち着くケースが多いと言われています。

理由は下の通りです。
「子宮筋腫は、女性ホルモンをエサにして大きくなるため、小さな筋腫であれば閉経によってエストロゲンの分泌が止まることで萎縮してしまうことが多いもの。また、子宮筋腫内膜症に悩まされていた人も、閉経後は月経時の出血過多や強い痛みから解放されるなど、閉経は悪いことばかりではありません。」
⑴婦人科医の松峯寿美先生は著書の中で、このように書かれています。


ただし、「子宮筋腫のある人は定期的な受診をして下さい」とも
書かれています。

それ以外の人も毎年の検診は大切ですね。( ̄︶ ̄)↗ 


あらためて「更年期」という時期について考えてみましょう。



人には生まれてからこの世を去るまで各時期ごとに
「発達課題」という、生きる上での目標のようなものがあります。



それを提唱したのが、
アメリカの教育学者、
ロバート・ハヴィガースト(Robert James Havighurst,1900〜1991年
です。


更年期は発達課題の中年期にあたります。


では、どんな課題があるのでしょう?

【中年期の発達課題】
(1) 大人としての市民的社会的責任の達成
(2) 一定の経済的生活水準の確立と維持
(3) 十代の子どもたちが、信頼できる幸福な大人になれるよう援助すること
(4) 大人の余暇活動を充実すること
(5) 自分と自分の配偶者をひとりの人間として結びつけること
(6) 中年期の生理的変化を理解し、これに適応すること
(7) 老年の両親への適応

以上の7項目です。



(6)番に「中年期の生理的変化を理解し」とあるのですが、
これはこの時期に起こる心身の変化を意味しています。



しかし、日本では更年期の知識は、ほとんど教わってきませんでした。

37歳過ぎたころから身体のなかで、すこーしずつ様々な変化が起きていることに気づかずにいる人が多いからです。



胎児の初期に500万個あった原始卵胞は
(赤ちゃんのもとになる卵でここっで女性ホルモンが作られます)、
生まれる時には70万個程度に減り、少しずつ減り始め
40歳からは激減し、卵巣は50歳前後で機能を停止します。
これが「閉経」です。


その後、女性ホルモンであるエストロゲンは減り続けます。


その結果エストロゲンによって守られたいた女性の身体の色々な
所が変化して症状として現れてきます。



エストロゲンの主な働き
骨、脂質代謝、血圧調整、糖代謝、
血管のしなやかさ、膣、膀胱、尿道への影響、
皮膚の萎縮、中枢神経への影響、記憶、
認知機能、物忘れ、集中力の低下やうつ状態。
などなどです。


また更年期は生きていく上でも様々な出来事が起こる時期でもあります。




これを深層心理学者のユングは「人生の正午」と呼びました。「中年クライシス」(中年の危機)とも言われます。


燦々と明るい陽のそそぐ午前を過ぎ、少しずつ陽のかげる午後へと近づいていく時期のことを意味しています。


以下は日本の有名な心理学者、河合隼雄の「中年クライシス」という
本の一節です。(朝日文芸文庫)

「職場や家族、多様な問題に直面し、大切な人生の転換点を体験する。最も意気盛んな安定期に見えて、中年ほど心の危機をはらんだ季節はない。」としています。


更年期の女性の発達課題はこのような時期にいること、それは心も体も「これから」の人生の節目の時期と捉えることができます。



自分のこととして捉えて「ああ、そういうことか!」(o゜▽゜)o☆と気づいた人だけが、本当に得をすると感じます。

カウンセリング中 2名笑顔.jpg



なぜなら、気づくことができれば「じゃあ、どうすればいいか?」と考えることができるからです。
そして、正しい知識を知ることで改善できることや、予防できることがたくさんあるからです。

私は自分の不調の原因が何なのか、長い間分からずに大変な思いをしてきました。
でも、その原因を知ることや、自分に合ったセルフケアを身につけたこと、
また多くの方々との出会いによって何とか乗り越えられそうです。


今、自分と同じ苦しみを持つ人のお役に立てればと思い、
この活動に取り組んでいます。



年齢を重ねて身体が変わっていくことを止めることはできません。

でも、そのスピードを緩めるとこや、そんな自分に向き合うこと
同じ悩みを持つ仲間がいることを知ってほしいと思います。



『一人ひとり、大切なかけがえのない自分』であることを、ちゃんと知って、
今、自分に何ができるのかを一緒に考えてきいましょう。



【参考文献】
⑴松峯寿美,50歳からの婦人科,高橋書店.31-32.2018
⑵森恵美,系統看護学講座 専門分野II 母性看護学概論1医学書院,2015
⑶麻生誠,堀薫夫,生涯学習と自己実現.放送大学教育振興会.2004









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