新しい自分へ!

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離婚裁判が終わり、I子さんのところへ報告に行った。

I子さんは「あとは少しずつ頑張って子供たちを迎えにいかなきゃね!」
と励ましてくれた。

i子さんは、本当に「母親」みたいな存在だった。

時には厳しい言葉をかけてくれて、時には励まし、一緒に喜んだり、ご飯を食べたり…。

それは多少は遠慮や気遣いもしたけど、本当の子供のように接してくれた。

そして、私の新しいバイト先が決まった。

某牛丼チェーン店だ。

バイトを始めてから、とても楽しい日々が続いた。
覚えている人も多いと思うが、その牛丼屋さんは「オーダー表」のようなのもはなく、「すべて頭の中で記憶」しておく必要があった。

お客さんの順番、メニュー、サイドメニュー、全て…。

最初は見事なまでにテンパってしまった。
お昼などは本当戦争のようだった。

今まで牛丼屋さんには来たことがなく、どれだけ混雑するのか全くわからなかった。

私の地元にはその牛丼屋さんはまだ来ていなかったから食べたり、行く機会がなかったのである、
もちろん、自分にお金もなかったのだが…。

それでも店長をはじめ、みんな親切に教えてくれた。

大学生などもバイトにくるため、控室は活気に溢れていた。

私はありがたいことに9時から14時の時間帯でバイトしていた。

土日は大学生などが入ることが多いため土日もたまに休めたりしていた。

14時に終わり、i子さんの家に行ったり、土日は娘に会いに行ったり。
平日は息子。

それでも夜は一人でいることが苦しかった。

それでまた携帯で男性を探したりして寂しさを埋めていた。

そんなある日、バイトから帰ると私の元に一通の手紙が…。

差出人は「元旦那のお姉さん…」

嫌な予感がする…。

裁判が終わってから2週間が経ったころのことだ。

もうその手紙は手元にないので全文は載せられないが内容は長男のこと…。

「裁判では月に一度面会をする、と決まりましたが長男の気持ちのことを考えて面会はやめてほしい」
という内容だった。

「やっぱりな…。」

私の不安は的中してしまった。

これは「裁判できまったこと」だから私一人でどうにかなる問題ではないし、勝手に決めたらダメだ!と思い、再度前回お世話になった弁護士さんに連絡を取り、時間をもらった

弁護士さんにさっと近況を伝えて、本題に入った。
手紙を持ってきていたので、見せた。

弁護士さんは
「あぁ…。やっぱりね…。あんなにすんなり面会を許すとは思えなかったもんね。これはズルいやり方ね。これをまた訴えるには費用が必要よ…。しかし呆れたわね…。」
と…。

慰謝料をもらったら訴えよう!

そう思った。

弁護士さんには
「わかりました。またお願いするかもしれません、その時はお願いします。」
とだけいい、その事務所を後にした。

帰りながら私は
「費用ももうない…慰謝料も弁護士さんに渡したらいくら残るのかもわからない…。第一長男に会う手段が見つからない…」
「諦めるしかないのか…」

色々考えた。

長男に会う手段がない、というのは
私が車をもっていないことも前提なのだが
元旦那の家は
バスも電車もタクシーすらない僻地だ。

想像できないかもしれないが、本当にそういうところに住んでいる。

だから私は嫁ぎ先で免許を取らせてもらい、車を与えられたのは
「足変わり」
にしたかったからだ。
病院の通院のために。

そこにどうやって行ったらいいのか考えても手段という手段がない。

秋田市内から隣の市まで1時間に1本の電車にのり、そこから何時にあるか分からないバスに乗り1時間…。
そこからの交通手段がなかった。

そこからは想像になるが、長男には私のことは「いいこと」は決して言っていないと思っている。
その散々悪口を言われた「母親」らしき人に会いたいと思うだろうか…。

その時、自分と重なった…。

私は祖母からも母親の悪口など一切聞いたことがない
けれど会ってみて本当に後悔した。

同じ思いをさせるのか…。
同じことをするわけではないが、子供からしたら「同じこと」だろう…、

理屈ではない
法律でもない

私は長男の気持ちを優先することにした。

本当は会いたい!
抱きしめたい!
散歩だってしたい!

けれど、自分があの母親のように感じてしまった。
長男にあの感情だけは味わってほしくない。

それならとことん悪い人でいよう。

私には幸い二人の子供たちの親権は取れた。
その子たちを存分に愛してあげよう。

ごめんね…優太。
さよなら…優太。

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