こんにちは、キャリアコンサルタントの高橋と申します。
このブログでは国家資格キャリアコンサルタント試験のポイントについて語っていきたいと思います。
前回は面接ロールプレイで最も重要となる傾聴の習得方法について書きました。
今回は面接試験において最大の難関になるであろう問題の捉え方についてお話しします。
そもそも、国家資格キャリアコンサルタントや2級キャリアコンサルティング技能士において問題は二重構造になっています。
それは、相談者視点の問題とキャリコン視点の問題です。
この辺の話は過去のブログに書いていますので、よろしければそちらもご覧ください。
また、相談者視点の問題からどのようにキャリコン視点の問題を把握していくかについてはこちらに書いています。
つまり、問題の把握ではこのような流れを踏みます。
・相談者の来談経緯を確認する
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・来談経緯が「不安」「不満」いずれかを把握する
↓
・不安なら「焦り」、不満なら「怒り」の感情を受容・共感しながらキャリコン視点の問題を探していく
↓
・キャリコン視点の問題を「自己理解不足」「仕事理解不足」「中長期的視野の不足」「コミュニケーション不足」「思い込み」から当てはめて捉える
この流れでキャリコン視点の問題を進めることができれば、おおよそ5~10分くらいまでにはキャリコン視点の問題が何かを把握できるようになります。
ただ、ここで気を付けなければならないことがあります。
それは、キャリコン視点の問題が複数ある場合です。
国家資格や2級技能士の面接試験において、これまでキャリコン視点の問題が1つだけということはほぼありません。大抵、相談者は仕事と家庭の問題が絡み合っているような複合的な状況に陥っています。
そうした場合、面接試験では複数のキャリコン視点の問題を扱わなければならないということになります。
しかし、ここに注意すべきポイントがあります。
それは、面接試験中に全ての問題を明らかにしようとする話の進め方をすると、大抵失敗します。
それは時間的な制約もさることながら、面接の構造化がうまくできないからです。
例えば、相談者は仕事と家庭の両方に問題を抱えていたとしましょう。
話を聴いていく中で、相談者は仕事では上司との折り合いがつかない、家庭ではコミュニケーションが不足している、そんな状況になったとします。
この時、上司との折り合いがつかないところを深掘りし、その一方で家庭でのコミュニケーション不足についても深掘りをしていくと、15分や20分という面接時間はあっという間に過ぎてしまいます。
また、もしこの流れで進めた場合、キャリコン視点の問題を相談者と合意形成する段階で問題の優先順位付けが発生します。
「仕事と家庭、〇〇さんにとってどちらが優先順位の高い問題ですか?」
なんて訊いた日にゃ、
「それが分からないからここに来ているんです」
と言われるのがオチです。そうなると、相談者との関係性が崩れてしまいかねません。。。
キャリコン視点の問題を並列に扱うというのは、こういったリスクをはらんでいるのです。
それでは、どうすれば良いのか?
私は「スモールステップ」をお勧めしています。
先ほどの仕事と家庭の問題が絡んでいるのであれば、「今回の面接では」どちらか一方に的を絞って話をするのです。
ここでのポイントは「今回の面接では」という点です。「今回の」があるということは「次回」もあるのです。
つまり、連続して面接をする前提で話を進めるのです。
1回目のキャリコン(面接試験):相談者の話を聴いていると、家族とのコミュニケーション不足に意識が向いていたので、今回はそこに注力してキャリコンをする(家族とのコミュニケーション不足の改善)
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2回目のキャリコン(次回予定):上司との関係性についてキャリコンを行う(上司との関係性の改善)
このように小さな目標(スモールステップ)を積み上げることで、相談者のキャリア形成を行うような流れでキャリコンをするのです。
こうすることで話が拡散しづらくなるので、試験官から見てもキャリコンが何を問題の本質と捉えているかが把握しやすくなります。
そして、この時ポイントになるのは、相談者が最初に語った「不安」「不満」からスタートする点です。
不安や不満から話をスタートさせていけば、相談者が一番気にしていることから話が始まるため、相談者が相談したいことから大きくブレることは起きないはずです。
例えば、仕事に対してうまくいかず不安に思っている相談者に対し、仕事の話を深掘りしていくことは極自然なことです。
相談者にとっては一番悩んでいることに対して話を深掘りされているので、相談者の悩みに寄り添うことにも繋がり、相談者の内面に近づきやすくなります。
「不安」「不満」をより所に話を深掘りしていく理由はここにあります。
そうして、不安や不満に対する問題の本質、つまりキャリコン視点の問題が把握できたら、今回のキャリコン(=面接試験)ではその解決を目指します。
そうして、次回のキャリコンでは次の問題(ここでは仕事)にフォーカスをさせていくような流れを作るのです。
つまり、1回のキャリコンで全てを解決しようとするのではなく、問題を小分けにしてスモールステップで解決していくような流れを作るのです。
そのため、もし面接ロールプレイで再度の方策の実行の段階まで行っているとするならば、
「ここで検討した方策を実施された結果を持ち寄って、この続きを実施させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか」
のような振る舞いが考えられます。
実際、2級の場合はここまで来ることはありますが、国家資格の場合はここまで来られないかもしれません。
しかし、その場合においても口頭試問の具体的展開の質問でこのように答える必要がありますので、答える内容はあらかじめ準備しておいた方が良いと思います。
今回は面接ロールプレイにおける問題の捉え方についてお話ししました。
面接試験では実際には何が起こるか分かりません。その場で起きたことに対し、リアルタイムで対応していかなければならないところに、この試験の難しさがあります。
それでも、今回お話しした問題の捉え方を理解しておけば、当日慌てることは少なくなります。
まだ試験まで日はあります、ぜひ問題把握の捉え方を実践で試してみてくださいね!
また、問題把握について以下のサービスでもトレーニングすることができます。ご興味のある方はご参加ください!
■【国家資格キャリコン面接試験ポイント】バックナンバーはこちら!
それでは、またお会いしましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!