丸山ワクチンにはエビデンスがない話

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コラム
がん患者、がん患者さんのご家族の方でしたら、一度は目にしたり耳にしたことがあるはず。
あとは、将棋好きな人・・・。

実は、去年亡くなった父も、最後の一か月ほど、丸山ワクチンを試したんです。
本人は、ものすごく期待していたので、家族としてはなんかかわいそうになりました。
無駄に期待させてしまって、ぬか喜びさせてしまっただけだったんじゃないか・・・そんな気持ちもあります。

さて、この丸山ワクチンですが、お医者さんの中で効果を実感している人はいないでしょう。
患者さんの中では、効果を実感している人もいるかもしれません。

なぜ、丸山ワクチンにはエビデンスがないのか。こんなにも長く治験を続けているのに、どうして効く・効かないと判断ができないのか。

実際に身内が丸山ワクチンを試して分かったことがあります。
丸山ワクチンが効くという「有効な」エビデンスがない=効果として公に、正式なものとして発表できない。
現在、丸山ワクチンは、治験薬なので、普通のお医者さんに掛かり、がん治療をしている患者さんには、選択肢としてあがってきません。

では、いったい誰がこのワクチンを使っているのか・・・。
医者がもうできることは何もない、末期のがん患者さんです。
余命宣告をされ、緩和ケア、ホスピスなどで「残りの人生を悔いなく」という段階の人。
どんな医者でも薬でも奇跡は起こせない。
丸山ワクチンは免疫療法なので、効果があるとすれば、三か月は見ておかないと効果実感できるほどにはならないでしょう。
もちろん、数週間で効果があった!という人もいるかもしれませんが。
ワクチンが効くかどうか判断できる状態になる前に、死んでしまっているのではないでしょうか・・・。

もともと丸山ワクチンは結核のお薬として開発されたらしいです。
結核患者の中にがんを発症する人が少ないということから、丸山ワクチンはがん治療薬として開発していたそうです。
患者さんの中には、実際に効いたという人もいるようです。患者の会のパンフレットに書いてありますし、ユーチューブ動画もありますね。
丸山ワクチンを試したらがんが小さくなった、丸山ワクチンのおかげで再発してないとか・・・

私も、実際に色々調べて、ワクチン受け取りに日本医科大学付属病院まで行きました。
そして、そこの先生にもお話聞きました。
そこの先生ですら、丸山ワクチンが効果があるとは思っていないような印象でしたね。
ただ、患者の会の、丸山ワクチンという選択肢をなくさないでほしいという熱意の方がすさまじい気がしました。

そして、実際、使用することになったわけですが、なるほど、これは有効なエビデンスがないわけだと思いました。
つまり、ほぼ手遅れの患者さんに投与したところで、そんな夢のような効果はないわけですから。
それに、ワクチンを続けるためには、定期的に血液検査などすることになりますが、実際にCTなどでちゃんと検査するわけじゃないですからね。
さらに、丸山ワクチンを了承するお医者さんは、町医者レベルのお医者さんです。設備の整っていないようなところで検査しても、信ぴょう性に欠ける・・・「有効な」エビデンスとは言えないと難癖つけるくらいいくらでもできます。
「有効な」エビデンスは、永遠に出てこないのです。

さらに、丸山ワクチンは、他の抗がん治療と併用が可能。
何かしらのいいエビデンスあったとしても、本当に丸山ワクチンの効果なのかどうかなんて誰も証明できないわけです。

有効なエビデンスが出てこない限り、医学界にいてがん治療を実際に一生懸命やっている「まとも」なお医者さんは丸山ワクチンなんか相手にしません。
だってエビデンスがないから。そんな不確かなもの使えないから。

どんなに優しい医者だとしても、もし患者さんが丸山ワクチンを試したいと言い出したら「生暖かい眼差し」を向ける程度でしょう。
だからこそ、丸山ワクチンの患者の会の熱量が上がるんじゃないのかなーと思ったわけです。
最後の頼みの綱、のように感じてしまっているのかな、と。

だって、お医者が勧める抗がん剤治療に納得できなければ、または効果が出なければ、それ以外から治療法を選択するしかないじゃないですか。
末期の人なんて、痛み止め処方されるだけで放置ですからね。がん自体は野放し、ノーガード状態。これでは患者さんは、またはその家族が、医者から見放された、放り出されたと不安を感じても仕方ないでしょう。

私、ちょっと思ったのですが、丸山ワクチンの治験するならするで、効くか効かないか「有効なエビデンス」をもっとまじめに収集するべきなのではないかと。
こんな中途半端な形で、ちゃんとしたエビデンスが絶対に出ないような環境で、延々と治験続けていてもしょうがないじゃないですか。
どんな状況下なら効く可能性があるのか、がんのどの段階でワクチンを使用するのがいいのか、などなど。
もっとまじめに「有効な」エビデンスをそろえる努力をするべきなのではないか?

これから、もし丸山ワクチンを試そうかなと思っている方がいたら、ぜひぜひお医者さんとよい協力関係を作ってほしいと思います。
そして、エビデンスがないという否定的な言葉で心をくじかないでほしいです。
エビデンスがない原因は、「ワクチンの」じゃなくて、「エビデンス自体の」有効性が確認できないからです。
有効なエビデンスというのは、大きな施設で、権威のある人間が実証したかどうか。
丸山ワクチンで有効なエビデンスが出ることはありません。

治験ですからね。自分が助かればいいとかじゃなくて、エビデンスを集める協力をしているのだという使命感を持ってやってほしいなと思うのです。
そういう草の根活動が、いずれ、もしかしたら、誰かの役に立つかもしれない。

丸山ワクチンの理論、がんを囲い込んで兵糧攻めにするという戦略は、そんなに悪くないと思うんですけどね。だって、他の細胞に与えるダメージが最小限で済むじゃないですか。アプローチの仕方としては、個人的には納得感高いです。もちろん、私は医学知識ないので、わかんないですけどね。

がんっていいますが、がんじゃない臓器は普通に機能しているんです。
がんだけが悪いんです。

もし、これから丸山ワクチンを試そうと思っている方がいらしたら、ぜひ前向きな気持ちで取り組んでいってほしいなと思います。
副作用はないそうですし、ワクチン代も月に一万円程度です。
郵送でも申し込み可能です。
協力してくれるお医者さんがいる、一日おきにお注射してもらえる環境の方でしたら、治験に参加できます。
皮下注射なので、自分で注射できるようになれば、丸山ワクチンを試すハードルが下がるんですけどね。

父の一周忌でした。
自分自身の戒めとして、書いておきます。
元気な人も病気の人も、若くても年取っていても、明日、死ぬ確率は50パーセントです。
どうか、一人で死に向かっていると思わないでください。
みんな同じです。

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