三日月を食らう

記事
コラム
口の悪い(私のような)人ならば、「犬のくそみたいなもんをしょっぱなから見せやがって」と、この写真を見て文句いうでしょう。

これは、犬のくそではありませぬ!

ドイツのクリスマス定番お菓子紹介第二弾、バニラキプフェルです。

ちなみに第一弾はレープクーヘンでした。
ご興味のある方はぜひ去年のブログをご覧になって、テキトーレシピで作ってみてくださいね。


で、今回のバニラキプフェル。
三日月型のクッキーで、ドイツ・オーストリアではクリスマスの定番お菓子です。

この時期になりますと、スーパーでもパン屋さんでもお菓子屋さんでも、いたるところで売られてます。
ご家庭で作る人もたくさんいます。独自レシピをお持ちの方も多いでしょう。

先にレシピをご紹介しましょう。このレシピは、ネットで探したレシピですが、「古式ゆかしき」レシピだそうですよ。
何がどう違うか分からんけど、作ってみたらわりとおいしかった。

バター200g
砂糖75g
アーモンドプードル110g
小麦粉275g
塩お好みで(多めにするとアクセントになってメリハリのある味になります)
バニラエッセンスか、本物のバニラお好みで
仕上げ用粉砂糖

すべての材料を冷やしておく。
バター以外の材料を振るいにかけ、ボウルに入れてよく混ぜる。
さいころ状にカットしたバターを入れて、全部の材料が均等になるように混ぜる。
一時間冷蔵庫で寝かせて、三日月型に成形。
160度のオーブンで10~12分焼く。
熱いうちに粉砂糖をまぶす。

たまごが入らないので、日持ちもしますし、さくっとした軽口当たりでいくらでも食べれてしまいます。
材料を冷やしておくことで、口にいれるとほろりと溶けるような口当たりになるそうです。

私は今回、バニラではなく、抹茶パウダーを入れてみたので、こんな色になってしまいました。
そして、私は不器用なので、上手に成形できず、犬のくそ状になってしまいました。

本来はきれいな三日月型にするんです。
だけど、このレシピだと、ご覧のように粉の分量が多くてぽろぽろしちゃうんです。それで、成形に失敗したんです。私が不器用だからというだけの理由じゃぁないんです!

ドイツやオーストリアで、三日月型をしたものといえば、クロワッサンなどもそうですね。

どこかのヨーロッパ文化歴史を紹介するブログで紹介されていたので知ったのですが、三日月といえば、トルコ。
三日月を食らって、トルコをやっつけろと、ウィーン包囲の時に三日月型のお菓子ができたんだそうです。

第一次ウィーン包囲1529年、第二次1683年。
当時のトルコは、オスマントルコ帝国です。
そして対するは神聖ローマ帝国。ハプスブルク家です。

結構昔の話なんですね。
だけど、第一次の前からも小競り合い程度はあったでしょう。
確か、ドラキュラ伯爵で有名になった人・・・トランシルバニアの方の領主のの人だったと思いますが、トルコ軍から残忍なやり口で恐れられていたらしいです。
兵士の首をちょん切って柵に突き刺し並べてたらしいですよ。
串刺し王とか呼ばれてたって。
すごいあだ名ですよねぇ。

とすると、200年以上もなんやかんやで東ヨーロッパのあたりはトルコ軍の脅威にさらされていたんですね。

それなら、三日月軍をやっつけようと、ゲン担ぎの三日月型お菓子が定番化してもおかしくないでしょう。

そしてコーヒー文化がヨーロッパに入ったのもウィーン包囲がきっかけと言われています。
確か、ココアなんかもそうじゃなかったかな。
マリー・アントワネットが、そのチョコレート飲料をパリに持ち込んで大ブームとなったというような話を聞きかじった記憶があります。

このように、異文化交流というのは、新しい風を取り入れるきっかけにもなり、ネガティブなものばかりとは言えません。
その後、音楽の世界でもトルコ風なものが好まれ、トルコ行進曲などモーツァルト、ベートーベンが作曲しました。

だが、どうしてそのトルコの三日月型お菓子がクリスマスの定番菓子に取り入れられたのかは不明。

不明といえば、バームクーヘンも謎なんですよね。
もともとバームクーヘンは日本における役割の方が正しい。
つまり、結婚式の引き出物。
喜びごとがあった時に、みんなで食べるお菓子です。
子供が生まれたとか、お祭りとか、そういう時のお菓子。
発祥はチェコとかハンガリーとかあっちらへんらしいです。

もともとは、クリスマス限定菓子ではないのに、ドイツではクリスマスの時期にしか出回りません。デュッセルドルフの「ハイネマン」というお菓子屋さんでは年中売っているのですがね。
そして、ぱさぱさしてあんまおいしくない。チョココーティングされているので、チョコの味しかしない。
バームクーヘンは日本のに限りますな。

もともとのバームクーヘンは、焚火でちょっとずつ生地を回しかけながら焼いていくもので、まぁ、山賊のおやつみたいな感じですよね。

今は、製品化しようとすると、バームクーヘン用オーブンなんかを導入する必要があって、小規模のお菓子屋さんでは、なかなか手が出しずらいお菓子となってしまいました。

バニラキプフェルの紹介だったのに、バームクーヘン紹介記事になってしまったが、バームクーヘンの正しい食べ方、ご存じですか?

あれ、上からそぎ切りにしていくのが正しいのです。
つまり、輪切りにして食べるんですね。
扇形に切るのではないらしいです。

以前、そのデュッセルドルフのハイネマンのバームクーヘンをお取り寄せしたことがあったのですが、「正しい食べ方」という案内がついていて、そう書いてありました。

あはは、食べた後にその案内の紙に気づいて、「おぉ、食べ方間違ってたわ!」とショックを受けた記憶があります。

ハイネマンは、そうとう有名なお店なので、ガイドブックにも必ず載っています。デュッセルドルフにお立ち寄りの際はぜひぜひ行ってみてください。
二階がカフェ・レストランになっており、食事もできますし、ケーキとコーヒーいただくこともできます。
ミュンヘンに支店があり、そこでは比較的日持ちのするお菓子類が販売されています。この時期なら、確実にバームクーヘンもおいているでしょう。
お土産にもよさげです。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す