踊る人形~シャーロック・ホームズ暗号解読

記事
コラム
シャーロック・ホームズの短編の中でも人気のある「踊る人形」。
名探偵コナンの中でも、「踊る人形」が出てくることあるんですよ。
「ホームズフリーク殺人事件」。

この回は、結構重要な回ですよね。服部ファンにとっては、重要な回です!
なぜなら、コナン君の正体が服部君にバレてしまうという決定的な回だからです。

オリジナルのホームズ作品の方も完成度も高く、ファンの評価も高いので、もしまだ読んだことのない人がいらしたら、ぜひぜひ読んでみてください。
ジェレミー・ブレットさんがホームズを演じたテレビドラマも、踊る人形は原作通りだったと思います。
あのテレビシリーズ、後半になってくると、脚本がダメになって行くのは何ででしょうね。
同じようなトリックが使われている別作品をいっしょくたにしちゃったりして、後半に行くにつれてつまらなくなってしまうんです・・・。
踊る人形は面白かったですよ!

さて、暗号解読の話。
踊る人形の中で、ホームズは暗号解読に挑むのです。
暗号は、子どもの落書きのようなもの。頭があって、足と手があって・・・ある個所では、右手を挙げていたり、足を挙げていたりする。
普通の人間だったら、「近所の子どもが落書きしたんだろう」と見落としてしまうようなものなのです。

だけど、依頼人の奥さんはその落書きを妙に嫌がることから、何かしらの意味があるらしいと、ホームズのところにもちこまれたわけなんです。

それが暗号であると分かっている。
だが、暗号に必要なのは、解読するためのツールです。
たいてい暗号というのは、昔から「アルファベットを一つずらす」とか「本の特定のページを使う」といった、何らかの暗号解読のカギ、暗号作成者と受け取り側の間で事前の取り決めが必要です。

本の場合は、同じ版を持っている可能性が高いものがよく小説の中では利用されますよね。聖書とか。・・・「般若心経」使う暗号解読ものってありそうだけど、あったっけ?般若心経自体が暗号っぽいよね。アハハ。

現代で実際に利用可能だとしたら卒業文集とかありそうですけどね。
同じ学校卒業だったら使えそう。
古事記、百人一首などはよくミステリー作品に使われますしね。
二時間ドラマではありがちです。

緊急事態で暗号解読方法を相手に連絡できなかった場合・・・
つまり、ダイイングメッセージですが・・・特定の誰かに対して、その人と被害者しか知らないこと、共通点などを利用することが多いですね。
一緒に見た映画、貸し借りした本や音楽、何か共通の、二人の間にしかわからないことを、暗号解読のカギに使う。
誰にでも簡単に分かる暗号は、暗号ではありません。

逆に解読する側にとっては、暗号解読ツールがない状態でその暗号の内容を突きとめなければならないので、ものすごく難しいと思います。

この「踊る人形」でホームズが使った暗号解読の方法は・・・
この落書きの人型が、アルファベットを意味しているという仮説から出発し、英語は「e」が出てくる頻度が高いという事実から推理を始めるのです。

そして、この暗号を見て怯えた依頼者の奥さんの名前が「エルシー」で「e」が多くつく名前だったということもあり、割と簡単にホームズは「e」を意味する人形を見つけ出します。

「Come here」という文があったとして、eしか判明していなかった場合・・・
「○○○e ○e○e」という状態から、意味のある文になるようアルファベットを色々当てはめて行く地道な作業を続けていくのです。

これには勘と経験が必要ですね。
それと、比較対象できるサンプルが多い方が、解読の助けになります。
ホームズも、実際「次の暗号文が届くまでできることはない」と途中で作業中断したりしています。

そこで、Come here が解読できたら、自動的に、c、o、m、h、rが判別できようになります。

前回の続き、手書き文書の話です。

ドイツ語の判読も、この暗号解読方式が役立つのではないだろうか・・・と私も手持ちの本で、試してみたんですよね。

例えば、ドイツ語の判読ならば、dの頻度が高いことから、案外d、 i、e、 r、sなどは、結構すぐに判別できるようになるんです。

ドイツ語の冠詞、der,des,dem,den,die,der,ein,meinなど。短いので文の中にあっても、当たりがつけやすい。

それから、ドイツ語の単語で意外とschから始まる単語が多いというのも特徴としてあります。
schön,schon,schließen,schloß......ぱっと思いつくだけでもかなりあります。

そして、このsch、単語の後ろにつくことも多いんですよね。

komisch,deutsch,englisch,などなど形容詞から、waschen,mischenなど動詞にもよく使われます。

というわけで、ドイツ語の判別の場合は英語とは違い、d,a,e,i,r,s,c,h,,nと、すぐに判別できる単語が非常多いのです。

後は、特徴的な形をしているJやZ、Gなども判別しやすいです。
そして、UとIの場合、チョンと上に付くので、案外簡単に判別できます。

さらに手紙文の場合は、決まりきったご挨拶、Liebe 、Lieberといった、日本語でいうところの「~様」に当たる言葉がありますので、Lも割とすぐわかる。

そ、そこまで分かっていながら、なぜに手書き文の判読がむずかしいだらうか!
人によって癖があるという点を度外視しても、できる気がしねぇ!

次回は、じっくりこの手書きアルファベット解読の難しさついて多いに愚痴、いや、考察していきたいと思います。













サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す