こんばんは、不動産契約アドバイザーの長岡です。
久々のブログということで、ちょっとした不動産取引事例を掲載いたします。
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■事例
43歳のサラリーマンAさんは、子供が産まれたので、新居を購入することにしました。
そして、ポータルサイトで気になる物件を発見し、売主=不動産業者Bから分譲マンション(1室)を購入することになりました。
Bの担当者から、
「通常は、売買代金の約3%(+消費税)の仲介手数料が別途で掛かるのですが、この物件は、当社が売主なので、仲介手数料が掛からず、お得ですよ☆」
と説明を受けました。
「3%って、90万円(+消費税)・・・それが掛からないなんて、ラッキーだ!」
と思い、いざ契約へ!
しかし、その後、Bの担当者から、
「実は、このマンションの所有者は一般人のCさんなのです。」
という説明を受け、
Aさんは、「どういうこと??」
と混乱・・。
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業者B=売主なのに、所有者=一般人Cさんとは、どういうこと??
そもそも、一般人Cさんの物件なのに、
業者Bが売主として、一般人の自分(Aさん)に売っても良いの??
もしかして、Bは悪徳業者? 怪しいテンバイヤー??
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ここまで読んでいただき、いかがでしょうか。
上記取引は、違法なのでしょうか??
結論から申し上げますと、下記2点をクリアすれば、Cさんが所有中だとしても、業者Bは、自ら売主として、Aさんに転売することが可能です。
上記取引を三為契約(さんためけいやく※第三者のためにする契約)といいます。
① 「Bが第三者(今回のケースではAさん)に転売すること」を条件として、買主=業者Bと売主=Cさんが売買契約を締結済みであること。
(契約を「締結済み」であれば、物件の引渡しを受けていなくても問題ありません。)
② 「不動産の所有権は、業者Bを経由せずに、現所有者であるCさんからAさんに直接移転すること」を条件として、売主=業者Bと買主=Aさんが売買契約を締結すること。
(先に上記①の契約が締結済みであることが必須です。)
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さて、業者Bは、なぜ、こんな取引をするのでしょうか?
買主Aさんと売主Cさんとの仲介業者として取引を進めた方が、Bは、二人から仲介手数料(約90万円×2人分)を貰えて儲かるのでは??
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実は、業者Bには、こんなメリットがあります。
(1) Cさんから不動産を購入するのに(仕入れをするのに)必要な資金の調達を省ける。
(2) 登記費用・不動産取得税が不要となる。
(3)仲介業者として売買を進めるよりも(AさんとCさんから仲介手数料を貰う取引よりも)、利益が上がる(場合もある)。
(4) 仲介業者として売買を進めた場合(AさんとCさんから仲介手数料を貰う取引)と同じ利益だとしても、会社の売上高を良く見せることができる(場合もある)。
文字数と時間の関係で、今日はここまでとさせていただきますが、(1)~(4)につきまして、次回、解説ブログを掲載いたします。
何はともあれ、売買・賃貸問わず、不動産の契約につきましては、
【販売のプロである営業職】ではなく、【契約のプロである専門職】に事前にご相談されることをお勧めいたします!!