サービス業から人が消える未来

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1.サービス業の役割

日本のサービス業は、世界的に高い評価を受けています。

また、このサービス業は多くの人手が必要なことから、古くから「雇用の受け皿」ともいわれていました。

不景気になり他の産業が低迷しても、衣・食・住を欠くことはできないこと。

そして多くの労働者が必要なため、失業対策としてサービス業が用いられていました。

サービス業の裾野は大変広く、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、医療・福祉、情報通信業など様々な分野があります。

そのため、不景気で多くの企業でリストラがおこなわれるようになると、一時的にせよ、失業者をサービス業で採用し雇用対策をおこなっています。

しかし日本のサービス業が、現在大きく変わりつつあります。

それは、人手を必用としない方向へ、大きくシフトしているからです。


2.くら寿司さんでの出来事

3月下旬、お寿司を食べようということになり、自宅近くの「くら寿司」さんへ行きました。

私がくら寿司さんを利用するのは、たぶん2年振りでしょうか。

行って大変驚きました。

まず、従来は入店すると待合スペースにある紙に名前と人数を書きます。
それが、パソコンに変わっています。

パネルに席が表示されます。

そのパネルに指定された席に座る。

次に料理の注文はタッチパネル(ここは2年前と変わらず)。

食べ終わり、最後は会計ですが、これもタッチパネルで会計ボタンを押すと自動で会計されます。

2年前に来店した時は、会計ボタンを押すと店員さんが来て、お皿の枚数を数えていました。

最後にレジに行くと、セルフレジ。

つまり、入店から退店まで、まったく店員さんと接することはありませんでした。

帰宅してくら寿司さんのホームページを拝見すると、この無人化がしっかり告知されていました。
くら寿司_page-0001.jpg
くら寿司さんとすれば、コロナ対策として人が一切関わらない非接触型を推進されていらっしゃいますが、同時に人件費などコスト面も当然考えたうえでのことでしょう。


3.AIによる自動化が進むサービス業

このように、以前は人の手で行われていた多くの業務が、自動化や機械化が急速に進んでいます。

他にも、ユニクロやニトリ、ダイソーでも自動レジが導入されています。

出来上がった料理を運ぶロボットも、最近では珍しくなくなりました。

このように、サービス業ではAIによる効率化が進むにつれて、今後ますます人手は必要とされなくなるでしょう。

不景気時代の雇用の受け皿だったサービス業が、無人化が進めば、どこに雇用の受け皿を設ければいいのか。

これまで、学生のアルバイトの王道であり定番はコンビニエンスストアや外食産業・ファーストフード店でした。

それが無人化となれば、アルバイトが出来ない学生が、たくさん発生することになります。

私は、今後AI化が進み、サービス業から人がいなくなるにつれて、失業者が大量に発生することを懸念しています。


4.サービスからホスピタリティへ

サービスに似た言葉に、ホスピタリティがあります。

ホスピタリティとは、相手を思いやる心のこもった接遇で、相手がしてほしい期待を超えて、喜ばれることを予測して行う奉仕活動といわれています。

サービスは、顧客の要求に対するアプローチ。

それに対してホスピタリティとは、顧客の欲求を予測したアプローチといえます。

例をあげると、飲食店で提供されたお冷を飲み終えたとき、店員さんを読んで「お冷をください」と言って、持ってきてもらうときはサービス。

空になったグラスを見た店員さんが、さっと近寄り「お冷のお代わりはいかがですか」と声掛けするのがホスピタリティです。

顧客の表情や態度、状況を判断し、顧客が望むことを予測した行動になります。

これができる人は、これからもサービス業で生き残れるでしょう。

これまで述べてきたように、サービス業から人が消えていくことは、AI時代の避けられない流れです。

だからこそ、顧客の欲求を予測したアプローチをすることが、サービス業に携わるすべての人に求められるようになります。

それができれば、生涯仕事に困ることはありません。
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