平面の凸凹は省エネの敵?

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日当たりシミュレーション屋のmatoriです
たくさんの図面を拝見している中で100件に1件くらいコの字型の家があります
Hの字型の家は500件に1件くらいでしょうか
先日は初めてロの字型の家の実際の図面を見ることができました

様々な技術が進んでいろいろな形の家が可能になっています
そんな中でもう一度確認しておきたいのは
平面形状によって床面積/表面積の比率が変わることです

少ない外壁面積でたくさんの床面積をカバーできればコスパが良いですね
反対に平面の形状によってはたくさんの外壁を使ったのに床面積は少ししか取れていないのはコスパの悪い建物ということになります。

デザインや環境でやむに止まれぬこともありますが
なんとなくの思い付きや普通の四角い平面の建物ではつまらないというだけでコスパの悪い家を計画しているとしたら
少し考えてみることをお勧めします

平面形状によって変わる床面積/表面積

下の図は12枚のパネルで囲いを作った時に
何コマの平面を囲うことができるかという模式図です

左上の正方形は12枚のパネルで9マスを囲うことができています1枚当たり0.75コマで一番効率が良いですね

一般的に見かける住宅の平面は一番上の段のようなものです
これくらいだと7/12で0.58コマ/1枚
あまり見かけることのない中段だと5/12で0.42コマ/1枚
ロの字やHの字型だと0.43コマ/1枚になります

壁の効率から言えば正方形の0.58%程度になります
逆に言えば7、8割割高になるということになります

模式図での数値ですので
実際の建物では建物の床面積/外壁面積で比較する必要があります


建物形状と外壁面積.jpg


外壁面積が大きいと燃費が悪くなる

外壁面積が大きいと外壁工事が上がるだけでなく
外壁からの熱のロスが大きくなるので光熱費が上がります

H型の住宅の物件の相談があったときに
四角く設計した別案と比較してみると
年間10万円の光熱費の差となりました

それに気をよくしていろ試してみましたがそれほど顕著な結果にはなりませんでした
ともあれ平面形によって大きな違いがあることをご理解ください

自己日影のデメリット

日あたりシミュレーションのサービスで残念だなーと思うことの一つに
自己日影があります

隣家の建物の影になることは仕方がないといえます
できれば隣の家を何とかできないかとさえ感じることがあります

南側に凸のある建物の場合凸の部分の影が凹の部分に影を作ります
これを自己日影といいます
設計で何とかなるだろうと思うのですが、わざわざ自分の建物に日陰を作らなくても良いのではないかと思います

関東地方の場合、南に面した幅1.8m高さが1.8mの窓があると
600wのストーブと同じ効果があるといわれます
そのような太陽の恵みを受け取らないでおくのも残念なことだと考えます

SDGsやカーボンニュートラルを持ち出すまでもなく
自然に沿った合理的な設計であることをお勧めしています

【まとめ】

凸凹のある建物は外壁面積が大きくなって建設コストが上がるだけでなく
光熱費も上がって長い間にはダメージが蓄積されることになります
南側に凸がある場合自己日影を生じる恐れもあります
四角い建物はつまらないといった理由で設計を進めるのではなく
太陽に素直な合理的な設計にしたいものです
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