知らないと失敗する 、キッチンのルール

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間取り作りのご依頼に
「冷蔵庫をリビングから見えないようにしたい」
「広々としたキッチンにしたい」
というリクエストがあります
そのような方に下のような話をさせていただいています


厨房は狭い方が効率的

昔、飲食店の設計をすることもありました
ある店舗オーナー兼シェフのお話を紹介させていただきます

厨房のレイアウトは
とにかく歩かないで済むように
繁忙時には一歩も動かないで振り向いたらそこに
食材を置いて作業できるようにしてくれ
バックカウンターまでの距離は75cm以上は取るな
という事でした

作業動線を徹底的にシミュレーションして出来上がった厨房は
ステンレスが鈍く輝く機能美にあふれるものでした

開店後に厨房を覗くと良く機能しているようで
オーナーもとても喜んでいました

最近食レポ番組でキッチン内の様子が映りますが
無駄に広いところはありません

寿司屋のお客様に見せるすっきりとしたカウンターでも
決して歩き回る必要が無いように出来ているはずです

ワークトライアングル

ワークトライアングルという言葉があります
トライアングル.jpg

ワークトライアングルというのは
料理する時の作業の流れの基本である
・冷蔵庫から食材を出し
・シンクで洗って切って
・コンロで加熱する
という流れを考えて
冷蔵庫、シンク、コンロがそれぞれ1.2m~2.7mで
その合計が3.6mから6m位が使いやすい
というものです

冷蔵庫を見せない設計でも
設計巧者の手にかかるとうまく
最短の動線できれいに納めてくれますが

そうでない方だとワークトライアングルの考えを
知らないようなところに冷蔵庫を置いてしまう事もあります
要注意です


ゴールデンゾーン

ゴールデンゾーン.jpg
リクシルさんのホームページからお借りしました
SUMIKA金沢さんからの引用だそうです

シンクの両側と上下の
シンク前に立った時に
・歩かないで済む
・背伸びしないで済む
・深くかがまないで済む
そういう処に機能をまとめると効率が良い
という事です
シンクの前というのは意味があって
料理から片付けの作業の中で
シンクの前に居る時間が長いという
調査の結果とも一致しています
ポーゲンポール1.jpg

ポーゲンポールのホームページよりお借りした写真です

アイランドキッチンやペニンシュラキッチンで
吊戸棚を付けないケースでは
ゴールデンゾーンの上半分を放棄するものという事を
理解してそれに代わる収納などを確保することを意識して計画しないと
素敵な空間が出来たけれど不便で作業性が良くない
ということに成りかねません
注意して考えるようにしたいですね

上の写真では壁際にキッチンがあって
手前のキッチンは煮炊きを見せるキッチンになっているようですね
食事の準備にも時間をかけて楽しむ生活が見えるようです


メーカー任せは高くつく

キッチンの価格は
・シンクやコンロや食洗器などの機器
・カウンター
・面材
などから算出されます
パントリーなどの収納部分をキッチン屋さんの仕事にすると
コストアップにつながります
出来るだけ大工さんの工事にして
キッチン屋さんの工事にすると
財布に優しいキッチンになります


まとめ

ドイツのキッチンメーカーのポーゲンポールの代理店のアクタスの担当者と
お付き合いする機会がありました
ワークトライアングルなどの使い勝手は常に気を付けていて
「納品後に使いにくい、不便だといわれないようにしないと
長く続けることはできない」というのが口癖でした

キッチンの品質はどのメーカーも良くなってきていると思います
けれども計画する人の知識や思いはバラバラで
良い提案をしてくれるかどうかはわかりません

見た目だけで考えないで
使い勝手の良いキッチンはどういうものか
自分の生活価値観に有ったキッチンはどういうものか
住まい手がしっかりとイメージしておくことが大切だと思います
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