自分の強みを再認識しよう

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自己紹介や面接などで「あなたの強み・長所を教えてください」と言われるとほぼ皆固まりますよね。私もです。

強み(長所)って何でしょう?

福祉・心理学用語に「ストレングス」というものがあります。
直訳すると「強さ、力(体力、能力、精神力)」という意味ですが、
更に広げて
・病気や苦しかったこと、社会経験からの学び
・その人の素質、特性、長所(ユーモア、想像力、洞察力、忠誠心、自立心、想像力など)
・毎日の生活から得た気づき
・その人の持つスキル(料理、掃除、読書、楽器を弾く、運動するなど)
・今まで壁を乗り越えてきたことへの自信
・対人関係、その人の周辺の環境
(「精神保健福祉の理論と相談援助の展開Ⅰ」 中央法規)
などが含まれます。たくさんあります。

もっと簡単に言うと、普通に生活している自分が、無意識に使っている力やスキル、過ごしている環境の中に「強み」と言えるものがたくさん隠れているのです。
それをあえて「強み」として意識することで、出来ることが増えていきます。
事例で見ていきましょう。

<事例>Aさん(男性、40代)

大学時代はサークルの部長として部員をまとめ、他大学との折衝も積極的に行い、サークルの活動範囲を広げた
卒業後就職したが、不況のためノルマ達成が難しく上司との折り合いも悪かったため退社。その後さまざまな職種・業種を転々とするうちにうつ病を発症。その後は家族と同居しながらほとんど一日中家にいる
外出は自分の必需品の購入、のメンテナンス、町内会の担当業務をこなす時のみ。

この太字がこの人の強みと言えます。
・大学時代…学歴が大卒
・部長…人の上に立った経験がある
・積極的…自ら率先して動くことが出来ていた
・サークルの活動範囲を広げた…自分だけでなく、周囲も巻き込む力がある
・就職…職歴がある
・ノルマ達成が厳しく…厳しいノルマでも、何とか達成しようと努力した(と想像する)
・上司との折り合いも悪かった…内にこもるのではなく、人と交渉する力がある
・退社…自ら決断することが出来る
・職種・業種を転々…自分の可能性を見つけようと、トライアンドエラーを繰り返した
・うつ病を発症…病気になるまで頑張った、我慢した経験を持つ。うつ病になっても自死していない
・家族と同居…一緒に生活できる家族がいる(環境の強み)
・一日中家にいる…家で過ごすことが出来ている
・外出…外へ出ることが出来る
・車…車の運転が出来る
・町内会…家族以外との交流を持っている
探せばもっと出てくるかもしれません。
Aさん自身は、「あの時こうしていればもっとこんなことが出来たかもしれないのに、そうではない自分は強みも長所も無い」と思っている可能性がありますが、見方を変えればこれだけ出てきます。

では、強み(長所)としてとらえた時、Aさんのプロフィールはどのように変化するでしょうか。

<変更後>Aさん(男性、40代)
大学時代はサークルの部長として部員をまとめ、他大学との折衝も積極的に行い、サークルの活動範囲を広げた。その経験は今でも役に立っている。
卒業後就職、不況もあって徐々にノルマがこなせなくなっていったが、先輩や上司に相談しながら自分なりに成果は出せていたと思う。ただ上司とのコミュニケーションがうまく取れず、他に自分に合った仕事があるのではと考え、転職を決意。その後、IT企業やアルバイトなど、様々な職種や業種を経験する。
その中で、気が付けば「自分が我慢すればいい」という誤ったスキルを身につけてしまい、うつ病を発症。一時は希死念慮を持ちながらも今は安定している。ただし再就職にはまだ恐怖心があるので、町内会の手伝いや家族の外出時に車を運転するなどして外出を心がけ、自分なりにリハビリしながら生活を送っている。


多少の凸凹はありながら、Aさんなりの努力が垣間見えるようです。

「自分に強みや長所なんて…」と思っている方こそ、今一度ご自身のプロフィールを見直し、書き換えてみては如何でしょうか。
思わぬお宝が眠っているはずですよ。

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