論に負けても実に勝て

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コラム
どうも、「負けて実をとれ」
で覚えていた れぼる です。

教育評論家・尾木ママこと

尾木直樹氏が、幼い頃からお母様によく
言われた言葉、と、書かれていました。

「その場では負けたように見える」が、
「そこで培われた信頼感とか誠実さとか、
いろんなものが相手を動かし」「後になって
違う場面で生きてくる」はず‐――とのこと。

実は精神保健福祉士が、かなり多くの場面で
活用する諺かと思っています。というのも、
例えば、勉強する意味を見失い/ゲームには
興味がある、という子が身近にいた場合…

相手のフィールドにお邪魔する

自分の価値観が「ゲーム≦勉強」としても、
それを、相手の前であからさまに表しては、
心を開いてもらえません。目下、その子に
とっては、社会に繋がる窓口がゲームのみ
と、いう場合もあります。

ならば「生活リズムが乱れているのに、
人生経験を積むべき大切な年頃なのに、
ゲームばかりして」の思いを一旦下げ、

「何のゲームが好き?」「マイクラ?ああ、
何か作るんでしょ」「え、新幹線まで!?
すごくない!?」と、相手の”好き”分野に
首を突っ込ませていただいては、いかが?

臨床心理士・すがのたいぞう氏も

その著書「こころがホッとする考え方」にて
・コミュニケーションは、基本が大事
・コミュニケーション=キャッチボール
相手が取りやすい球を投げることが基本
と、述べられています。

つまり、
学校(子どもにとっては気を張る職場)から
帰宅後
・勉強どうだった?テストはあった?
・できた?難しかった?平均こえた?
・友達からイヤなことされなかった?
・先生方は、きちんと教えてくれた?
等々「心配だから聞かせて剛速球」を投げず

暑い(寒い)中を歩き、精神的にも疲れた
ように見える相手が受けやすいスローボール
・とりあえず一息ついたら?なにか飲む?
のような言葉をかける…それによって
「疲れた疲れた💦参った💦実は…」
の一言を引き出す契機になり得るわけです。

わからないことは素直に聞く

大人だから全てを知っているわけでも、全て
知っているから大人なわけでもないですね。

むしろ、失敗や後悔を繰り返しながらも、
あなたがここまで人生を歩んできた過程
そのものが、大人の証ではないでしょうか。

ですから、子どもにいつも先輩風を吹かす
必要はありません。むしろ、思春期の子は、
大人から自立する時期のために、そうした
「上から目線」に敏感で、悉く反抗しがち。

「マイクラ、よく知らないんだけど」
「ちょっと、やってみてもいいかな」
「これ、どうしたら攻撃できるの?」
「え、やばい?今は逃げるべき??」
「何か画面、真っ暗なんだけど~💦」
のように対等な、あるいは、こちらが
教えを請うような立場に回ることで、
・大人にもわからないことはある
・あなたの方が詳しいこともある
・あなたには敵わないこともある
・あなたには、得意なことがある
・あなたは、こうして頼りになる
→あなたは、大切にされるべき一個人
だと、言外に伝えることができるのでは。

その瞬間での目先の評価など

「こんなことも知らないの?」
「私の心に取り入るつもり?」
と見下されようと、続ける内に
「化学反応で物質を作れるんだね」
「化学式なんて、もう忘れたよ…」
「学校の教科書に載ってるかも?」
と、学校の勉強は案外、学校外とリンクして
面白いんだと気付くあの瞬間に導けたなら…

ゲームという相手が好きなものをシェア
→彼(彼女)と自分の間に信頼関係が発生
→次第に悩み事を話してくれるようになり、
→私はサポートの糸口をつかむことができ、
→彼(彼女)の心中の負担が軽くなるなら、
私自身の評価が下がろうと、
一体なんぼのもんでしょう。

私たちソーシャルワーカーの目的は、
自分の評価をあげること、ではなく、
眼前で困っている方の「困りごと」を
少しでも小さくするお手伝いをすること
なのですから、この目標に一歩でも
近づけば「実に勝」っているのです。

周囲から言われたことや、周りの出来事を
優しく、温かく、嫋やかにリフレーミング
(枠組みを変えて捉え直す)能力に長けた
尾木ママの「凹まない生き方論」。これ、
親子でも夫婦でも役立つこと間違いなし!
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