学校に行くのがつらくなったら

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コラム

私の肩書”精神保健福祉士”は、


「高ストレス社会といわれる現代にあって、
 広く国民の精神保健保持に資するために、
 医療、保健、そして福祉にまたがる領域で
 活躍する」社会福祉分野の専門家です。
 (日本精神保健福祉士協会HPより抜粋)

ですが、ココナラで仕事を始めてから、
様々なストレスの中でも、特に、登校に
関するご相談が、多く寄せられています。

・ナンバーワンでなくオンリーワンである
 ことを求められてしまう多様性の時代
・他人の生活や気持ちが見えてしまうSNS
・温暖化による気象の激甚化、疲労先進国
 (過労死は今や国際語)で、若者の精神的
 幸福度下位で、短時間睡眠率上位の日本
そしてーー
簡単に中止・休部・休校が強いられるコロナ

…児童・生徒・学生の皆さんが生きる今が、
未曽有の多難な時代だからかもしれません。

生きているだけで百点満点
と、言えるほど、大変な時代に
多感な年代を過ごす皆さんです。

「登校できないのは、意志が弱いから」
では決してありません。教育は広い視野を
養い、生きる術として非常に重要ですが、
そもそも、全ての人に適する仕組みなんて
あるはずがない。それは教育システム然り。
実際、

一口に「不登校」と言っても

 ・欠席がち
 ・行く意味を感じない
 ・行きたくても行けない
 ・断固として行きたくない
 ・自分には他に居るべき場所がある
 ・安全が確保されるまでは行かない

様々な状況があり、その背景には
 ・集団が苦手
 ・勉強が苦痛
 ・学校が怖い
 ・朝がしんどい
 ・何となくだるい
 ・会いたくない人がいる
 ・音や視覚情報が多すぎる
など、ひとりひとり異なる事情があるはず。

ですから、
「登校がつらい」と”みんな”(多数派)とは
異なる意見を、勇気を出して発信してくれた
あなたは、一旦、学校と距離を置き、
1人ではなく誰かと一緒に問題を整理して、
ゆっくり休み、十分に英気を養ってほしい。

一方で、学校に行きたいのに
 ・居心地が悪くて行けない
 ・朝、起きるのがつらくて行けない
 ・じっと座っているのが大変で行けない
 ・嫌がらせをする人がいるので行けない
場合、「行かなくてもいいよ」と私達大人が
君達の生きる術を学ぶチャンスを奪ったり、
君達の悩みを解消する努力を怠ったりする
ことは不適切だろうと、私は思っています。

学校に行きにくい理由が

・嫌がらせのせいだとしたら
→行為者を指導し、同じことを繰り返しては
 いけないことを理解させ、あなたにとって
  学校を快適な場に戻すのが大人の役目です。

・いじめのせいだとしたら
→傷害罪・脅迫罪・暴行罪に該当する犯罪。
 加害者を排除し、あなたにとって学校を
 安心な場に戻すことが大人の役目です。

・集団という理由のせいであるならば
→感覚過敏があればイヤーマフや私服を許容
し、別室登校や時間差登校もうまく活用の上
あなたにとって学校を快適な場に保つこと
ーそれが、大人の役目です。

あなたが弱いわけでも異質なわけでも
決してなく、むしろ大人が、いずれは
・年度途中での所属クラス変更や、
・引っ越しを伴わない転校の許容、
・オンラインやフリースクールも出席扱い

まで可能なように社会を変えていくよう努力
しなければならない。誕生後からずっと親に
たくさんの幸福感をくれたあなたのために。
将来、社会を支えてくれるあなたのために。

ただ、自分でも
「今のつらさを少しでも減らしてみたい」と
思ったら(すごく今更感ある内容ですが💦)
・早起きをしてみてください。
・朝食を食べてみてください。
・可能なら、副菜も食べてバランスを整え
・できれば、その後、少しでも外を歩いて
・夜は入浴・深呼吸・光を遮断し、早寝を

心と体は相関関係にあります。誰かに相談し
心のつらさを減らすと同時に、朝食と朝日で
体内時計を整え、バランスのとれた食事で
血糖値の急上昇による情緒不安定を防げば
自律神経・腸内環境・精神状態・体内時計
たちが、あなたの不調軽減を後押しします。

学校って実は、

こういった身体に必要なことを、習慣化
(=ルーティン化)してくれる作用が。

ルーティン化してしまえば、むしろ、
リズムを崩すほうが不快に感じられ、
起床のしんどさは軽減していきます。

人生のゴールは高い学歴の所持では
全然ありませんが、私達は何らかの
形でお金を稼がなければ生きられない。
「朝起きて、出かけて、8時間くらい
何らかの責務を果たす」ことが必要。

だから、
学ぶ場所を学校以外に見出した、
時代の最先端をいくあなたも、
学校に戻りたいし、そのための
障壁はなくなったけど、どうにも
朝がつらいあなたも、馬鹿にせず
早寝早起き朝ご飯を試してみてほしい。

夜、勉強しなきゃいけない?→眠い中
やっても非効率的。夜の2時間より朝の
30分のほうがはるかに記憶に残ります。

親が朝食を用意してくれない?→パンでも
お菓子でも何でもいい。バナナなんか最適。
何かお腹にいれて行きましょう。

学校もフリースクールも、そこまでして
行きたくない?→社会人になってからも
必要なスキルです。生活のために大切。

次こそ起きて行く!ができずとも

人間は本来、意志が弱いもの。
だから、さまざまなダイエット本が
飛ぶように売れるのです。だれもが
トライし、失敗し、リトライしている。

で、あれば、何かを実行できなくても
一喜一憂せず、次の方法を試せばOK。

大切なのは、「明日こそ!!」という気合
ではなく「本来、意志が弱い人間が、明日の
行動を変えるには、何をするのが効果的か」
を考えた上で、工夫することだと思います。

私の母は「今度こそ片付ける。余計なものを
買わない。いらないものは捨てる」と決心し
続けて、もう80年です。

「今度こそ意志を強く」よりも「買い物が
好き」という自分を認め、買ったものを置く
場所を作るために、何を捨てたらいいのかー
という視点に変えた方が、効果的でしょう。

自己否定と自己研鑽は別物

自分を認めることは、他者の生き方を
おおらかに許容することに繋がります。

もし、あなたが「人並みに登校できない
私は価値がない」と考えているとしたら、
同じ状況にいる人をそのような目で
見ていることになってしまいます。

毎朝、起きられない から
勉強が得意ではない から
人付き合いが苦手だ から
といって、人の価値は下がらない。

他の誰かより優れているから、
人に価値があるわけでもない。

唯一無二のあなたが、今ここに
存在しているだけで無限の価値。

「みんなみたいにもっと頑張らなきゃ」
という向上心はとても素晴らしいけれど、
起きれなかったり、成績が低迷したりで、
上手くいかないと足掻き、もがき、苦労
している途中だってもちろん素晴らしい。

それはいつか、あなたの経験や財産となり、
同様の渦の中の誰かの参考になるのだから。

ダメだと感じている今の自分を許容する
ことはワガママではなく、多様な生き方を
許容する→むしろ他者への優しさと寛容。

明日の朝は、そう考えてみませんか。
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