周易古占例 (31)「寺の器物のありか」、(32)「失せ物の行方」の占

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天元春日  周易古占例 16
本ブログでは、少しずつ周易の古占例を掲載してゆきたいと思います。

【易学・易占界において「2千年来の1人」と称された真勢中州とその一門の占例(16)】

ー真勢中州について
真勢中州(ませ・ちゅうしゅう)は、日本の易学史上、最も有名な人物の一人です。
『浪速人傑談』の伝えるところに依ると、
「真勢中州。名は達富、字は発貴、中州と号し、また復古堂と号す。俗称を彦右衛門という。尾張の人。天性・廉直にして、若くして易学を好み、新井白蛾(あらいはくが)に従いて学び、なお自ら研究して遂に易道に妙を得たり。中年の後は浪花(なにわ)に移り、専ら易学を講ず。また象蓍(しょうし)を作り、爻卦(こうか)を製し、易経の本文を錯綜(さくそう)して『復古易経』と唱え、其の占験の群に秀逸せること、精義入神にして、世・二千年来の一人と称す。文化十四年丁丑二月四日、齢六十四にて終る。歿後、北野寒山寺に墓石を立つ。」
と記されています。

ー真勢中州とその一門の占例

(31)は「寺の器物のありか」、(32)は「失せ物の行方」の占例です。

(31)ある寺の器物(きぶつ)、見えざる物あり。主僧(しゅそう)他行(たぎょう)の間なれば急に尋ねてその有所(ありしょ)を知らんという。これを筮して遯(とん)の旅(りょ)に之(ゆく)を得。占之曰(これをせんしていわく)遯(とん)は全卦(ぜんか)の巽(そん)なり。巽(そん)は伏(ふく)なり。入なり。ゆえに内にあることを知る。乾(けん)、離(り)となる。離(り)は見なり。かつ乾(けん)は君にして五は君位なり。ゆえに主僧(しゅそう)帰らば出べしというに中す。

(32)失物(うせもの)あり。いづれへ行(ゆき)しやと問う。これを筮して小過(しょうか)を得。
占之曰(これをせんしていわく)艮(ごん)は家なり。門なり。震(しん)は壮士なり。走(はしる)なり。小過(しょうか)は壮士(そうし)物を取りて門外へ走出(はしりいづる)の象なれば知(しれ)まじという。中す。
※出典 谷川順祐(竜山)『周易本筮指南』
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