周易古占例 (33)「出養生の吉凶」の占、(34)「病症治方」の占

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天元春日  周易古占例 17

本ブログでは、少しずつ周易の古占例を掲載してゆきたいと思います。

【易学・易占界において「2千年来の1人」と称された真勢中州とその一門の占例(17)】

ー真勢中州について
真勢中州(ませ・ちゅうしゅう)は、日本の易学史上、最も有名な人物の一人です。
『浪速人傑談』の伝えるところに依ると、
「真勢中州。名は達富、字は発貴、中州と号し、また復古堂と号す。俗称を彦右衛門という。尾張の人。天性・廉直にして、若くして易学を好み、新井白蛾(あらいはくが)に従いて学び、なお自ら研究して遂に易道に妙を得たり。中年の後は浪花(なにわ)に移り、専ら易学を講ず。また象蓍(しょうし)を作り、爻卦(こうか)を製し、易経の本文を錯綜(さくそう)して『復古易経』と唱え、其の占験の群に秀逸せること、精義入神にして、世・二千年来の一人と称す。文化十四年丁丑二月四日、齢六十四にて終る。歿後、北野寒山寺に墓石を立つ。」
と記されています。

ー真勢中州とその一門の占例
(33)は「出養生の吉凶」、(34)は「病症治方」の占例です。

(33)ある人の娘病気あり。京(きょう)へ出養生(でようじょう)に行かんと思う、その吉凶を問う。筮して家人(かじん)を得。占之曰(これをせんしていわく)家人(かじん)は女(じょ)の貞(ただしき)に利(よろ)しの辞(ことば)あり。貞女(ただしきじょ)は外へ出ざる者なり。ゆえに「家人は内なり」といえり。かつ火は内に包(つつ)みあれば消えず、外へ出れば巽風(そんふう)にて吹き消さるなり。【家人の卦象】ゆえに出養生(でようじょう)凶なりという。

(34)ある人病気あり。病症治方を問う。これを筮して萃(すい)の咸(かん)に之(ゆく)を得。占之曰(これをせんしていわく)、溜飲(りゅういん※飲食物が胃にとどこおって胃液がのどに上がってくること。)胸郭(きょうかく)に止まり胃中(いちゅう)空虚にして元気乏しき象なり。しかれども変じて咸(かん)に之(ゆく)は全快ならんという。しかるにその病人不養生(ふようじょう)して暴食す。それよりまた大いに悪(あし)くなるゆえに再筮(さいぜい)して咸(かん)の萃(すい)に之(ゆく)を得。占之曰(これをせんしていわく)病(やまい)帰りたり。衰えて死するならんという。果たして中す。

※出典 谷川順祐(竜山)『周易本筮指南』
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