周易古占例 (35)痘瘡(天然痘)の病症の占、(36)「病症治方」の占

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天元春日  周易古占例 18
本ブログでは、少しずつ周易の古占例を掲載してゆきたいと思います。

【易学・易占界において「2千年来の1人」と称された真勢中州とその一門の占例(18)】

ー真勢中州について
真勢中州(ませ・ちゅうしゅう)は、日本の易学史上、最も有名な人物の一人です。
『浪速人傑談』の伝えるところに依ると、
「真勢中州。名は達富、字は発貴、中州と号し、また復古堂と号す。俗称を彦右衛門という。尾張の人。天性・廉直にして、若くして易学を好み、新井白蛾(あらいはくが)に従いて学び、なお自ら研究して遂に易道に妙を得たり。中年の後は浪花(なにわ)に移り、専ら易学を講ず。また象蓍(しょうし)を作り、爻卦(こうか)を製し、易経の本文を錯綜(さくそう)して『復古易経』と唱え、其の占験の群に秀逸せること、精義入神にして、世・二千年来の一人と称す。文化十四年丁丑二月四日、齢六十四にて終る。歿後、北野寒山寺に墓石を立つ。」
と記されています。

ー真勢中州とその一門の占例
(35)は痘瘡(天然痘)の病症、(36)は「病症治方」の占例です。

(35)痘瘡(とうそう)を筮(ぜい)して升(しょう)の蠱(こ)に之(ゆく)を得。
占之曰(これをせんしていわく)、艮(ごん)にて止(とど)められて山を上(あぐ)ることならず。
死するならん。戊己(つちのえ・つちのと)の日なるべしというに中す。

(36)ある人いわく、余が親家(しんけ)に大病人あり。諸治(しょじ)効(こう)なし。
病症治方(びょうしょうじほう)を問う。筮して蠱(こ)を得。
占之曰(これをせんしていわく)この人は生質剛強(せいしつごうきょう)にして驕奢(きょうしゃ)なる人ならん。【乾を無病とす。また剛強とし、驕奢とす。乾三敗し蠱となると見るの生卦なり。】初は湿気にて下疳(げかん)あるいは痔毒(じどく)を病むならん。
【一敗姤となる】再び湿邪(しつじゃ)上って心腹(しんふく)に熱あり。積気(しゃくき)となるの象あり。【二敗巽となるの象】三たび上って頭痛または手痛(しゅつう)などありて不食(ふしょく)ならん。【三敗蠱となるの象にして即今とす】これ不治の症なり。今より一月経たらば死せんという。【四敗升となれば艮の身亡て魂気天に升りて死するの象。これ左伝と徒父が占意を転用するなり】果たしてしかり。

※出典 谷川順祐(竜山)『周易本筮指南』
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