私もクリエイターなので、こういう話は好きなんですが(笑)。
主人公のタイプとしては、ざっくりと、
・特別な才能や能力にあふれるキャラクター
・平凡で冴えないキャラクター
だいたいこの2パターンになります。
(※悪役的なキャラも、「特別な~」な方に分類するとして)
このうち、「平凡で冴えないキャラ」が求められるのは、だからこそ「読者と同じである」という立ち位置が得られるからです。
何の才能もない。それどころか、ぱっとしない。
でも……! ある日突然、とんでもない状況に陥って――などですね。
この「とんでもない」のを引き立てるには、読者の一般常識のラインで行動するキャラが、最適なわけです。
では、「特別な~キャラ」の方は?
こちらはともすれば、共感からはほど遠い存在となります。
まあ、「無双もの」というジャンルが確立された今、「別に共感なんて必要ない」のかもしれませんが。
(※「苦労するエピソードが挿入されると、これは『読みたかった無双ものではない!』と判断され、評価が低くなるようです)
しかし、こうした無双的キャラクターにおいても、好感度の調整は可能となります。
……では、具体的にどうしたらよいか?
「過去エピソードの挿入」ですね。
今、無双状態のキャラクターを、わざわざ「弱く」見せる必要はありません。
「無双」になる前の話として、「弱かった」「あのとき、ダメだった」という話を見せることで……「人間味」を見せていくわけです。
ここが共感に繋がります!
「だからこそ、今は無双できるほど強くなった」
ここの理屈に導ければ、もう完璧でしょう。
■『異世界サムライ』
ttps://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_CW01203832010000_68/
↑さらに上手いやり方をしているのは、こちらでしょう。
主人公「ギンコ」は、過去エピソードにおいても「絶対に負けない」キャラです。
ところが、彼女の目的ときたら、
「戦ってサムライらしく、死ぬこと」
なんですよね。
過去エピソードでも無双でありつつ、「ダメだった」「失敗した」という人間味を見せることに成功しています。
見事ですよね……!
こういう造りの主人公・話にしなきゃいかんなあ、と私も勉強させられるばかりです。