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ココナラブログ
【もしも自分のメロンだけがなかったら】
記事
コラム
カウンセリングルーム【弥九蔵の部屋】
2020/11/10 10:50
私は、普段テレビや映画等は殆ど観ない。
私の音楽や映像の作品志向は偏っており、
映画は、ほぼ「男はつらいよ」一辺倒だ。
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映画「男はつらいよ」第15作「寅次郎
相合い傘」に、ファンにとっては有名な
「メロン騒動」というエピソードがある。
寅次郎が旅先で面倒を見た会社員兵頭が
後日お礼に来た時に貰ったメロンを巡る
一悶着で、私は、今、これを認知の問題
として研究の対象にしようと考えている。
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この「メロン騒動」、さあ食べよう!と
切り分ける時に、外出していた寅次郎を
勘定に入れ忘れていたことから大喧嘩に
発展する。帰ってきて自分の分だけない
ことに激怒する寅次郎に家族全員謝るが、
寅次郎は、「どうせ俺はこの家では勘定
には入れてもらえない人間」「メロンは、
パパ(兵頭)が旅先で世話になった礼に
俺に寄越したもの。本来はみんなが俺に
感謝して頂くものを俺の留守に勝手に!」
「(妹さくらに)俺はたった一人のお前
の兄ちゃんだぞ。その兄ちゃんを勘定に
入れなかった、ごめんなさい、で済むと
思うのか!お前そんな心の冷たい女か!」
「俺はメロン一切れのことを言ってるん
じゃない。この家の人間の心の在り方に
ついて俺は言ってるんだ!」等と悪態の
つき放題。結局は、取っ組み合いの挙句、
「勘定に入れなかったの、心が冷てえの、
そんな文句言える筋合かい?ろくでなし
のあんたをこんなにも大事にしてくれる
家がどこにあるかってんだ。本来ならね、
いつも御心配おかけしています、どうぞ
メロンをお上がり下さい、私はいいです。
どうぞ私のも、そう言うのが本当だろう。
甘ったれるのもいい加減にしなってんだ」
というマドンナ・リリーの言葉で収まる。
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「他者から認められたい、自分を価値の
ある存在として認めたい」という、人間
本来の承認欲求を考えた時、このケース、
寅次郎でなくても惨めな気持ちになると
いうことは想像に難くない。現に私自身、
過去に職場で、自分の歓迎会だけが開催
されず、忘年会の会場へ移動する時には
一人置き去りにされ、担当の自分が席に
いるのにも関わらず自分にかかってきた
電話に勝手に対応されて事後報告もない、
等という体験をしているので、ここでの
寅次郎の悪態をつきたい気持ちは分かる。
ただ、彼は、テキヤで年中旅暮らしの上、
度々いろんな女性に恋をしては、周囲に
心配や迷惑をかけているので、その点を
踏まえての先のマドンナの言葉ではある。
そういう事情から、寅次郎の中には強い
劣等感・思い込み・被害妄想等があって、
無意識に自己承認を避けている気がする。
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同じストレス刺激を受けてもそれをどう
認知・評価するかでストレスとなるのか
否かが違うので、我が身に起きた出来事
は様々な角度から考えてみる必要がある。
そこで、私と寅次郎は別人格ではあるが、
私が寅次郎の立場だったらこのケースで
どうするかを「認知」の観点から考える。
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「テキヤで年中旅暮らしの上、度々様々
な女性に恋しては、周囲に心配や迷惑を
かけている」自分が、「旅先でお世話に
なったお礼にと貰ったメロンを、家族が
自分を勘定に入れ忘れて切り分けたため、
自分の食べる分がない」、という状況を
どう受け止めるかだが、寅次郎の悪態に
対して、私は、こういう風に考えてみた。
「いつも俺のことを心配してくれている
みんなが俺を家族として見ていない筈が
ない。だから、勘定に入れ忘れたことも、
本当に、ついうっかりして、なんだろう。
メロンもパパ(失踪中で家族や勤め先の
人間が心配していた)のことで連絡やら
何やらで先方に対応してくれたことへの
お礼の意味もあるんだろうから俺一人が
貰ったものじゃない。日頃、みんなには
心配や迷惑をかけているし、勘定に入れ
忘れられたのは少々惨めだが、うっかり
なら仕方ない」そして、多分こう言うと
思う。「勘定に入れ忘れたものは仕方が
ない。いつも心配をかけていることだし、
メロンはみんなで食べてくれ」、もしか
すると、「その代わりと言っちゃ何だが、
今晩、○○を付けてくれ」と付け加えて、
夕飯に好物をおねだりするかも知れない。
更には、マドンナ・リリーに「一口くれ」
ぐらい言うかも知れない。気の置けない
間柄の二人であるから、案外、「いいよ。
ア~ンして」なんていう展開になったり
して…と、ここまでいくとファンの妄想
もいいとこだが、こうした受け止め方や
展開にもっていくことで「自分の分だけ
がない」という事実がストレスとならず、
寧ろ、好ましいコミュニケーション形成
に繋がるのではなかろうかと思えるのだ。
そこには、自己肯定感の喪失からくると
思われる、劣等感・思い込み・被害妄想、
更には、悪態をついたり暴れたりという
ような感情や行動は存在しない筈なのだ。
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日常生活の中で起こる様々な出来事には、
受け止め方一つで状況が一変するような
ことが多々あると思う。メンタルヘルス
不調者の悩みに対処するのにも、今回の
ケースのような「認知の再構成」は重要
であり、私自身が過去の苦い体験でその
ことを痛感しているので、私の自己開示
込みで近々お話させていただくつもりだ。
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御閲覧、心より感謝申し上げます。
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カウンセリングルーム【弥九蔵の部屋】
心理カウンセラー メンタルヘルス指導員 / 50代後半 / 男性
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