「あなたは良い子ね」の呪縛

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コラム
「あなたは、良い子ね」と言われながら育った方の苦しみを、日々、肌で感じます。「あなたは、良い子ね」と言われながら育つことが、心に、どんな影響があるのか、私なりに書いてみたいと思います。

私は日頃、ビジネスコーチとしてエグゼクティブコーチングを行う他、心理カウンセラーとして学校、塾、幼児教育現場で仕事をしています。

関わる人の年齢は、小学1年生〜70代の方までと幅がありますので、今回は、思春期の子どもたちの心の葛藤を中心にお話していきます。



はじめに


このテーマに目を止めてくださったということは、お子さんをお持ちの方か、あなたが親から「あなた、良い子ね」と言われて育った方でしょうか?

「あなた、良い子ね」って褒め言葉に思えますよね。私も自分自身が、このような仕事をしていなかったとしたら、褒め言葉だと思っていたと思います。



「あなた良い子ね」に苦しむ人たち

子どもたちと対話をする中で、よく出てくることに、以下のようなことがあります。

あがり症を直したい
友達に自分の意見が言えない
異性と話ができない
大人や先生が怖い
自分を肯定できるようになりたい

上記の悩みを掘り下げて聴いて行くと、いろいろな回答が出てきますが、そのひとつに「あなたは、良い子ね」と言われたことが、原因かもしれないという方に何人も出会いました。

「あなたは、良い子ね」と大好きな、お母さんや身近な大人から言われ続けた経験は、子ども心に嬉しく、自分でも良い子でいたいと思うようになるでしょう。

ただ、「あなたは、良い子ね」という言葉は、次第に良い子じゃないと認められないと思うようになり、自分の心の中で、良い子を演じるようになることがあります。

良い子を演じすぎた結果、常にこの行動は、良い子だろうかと、不安に感じるようになり、自分が自分の中で葛藤が起こるようになることもあります。

自分の想像する理想の良い子になるために、例えば、友人関係の中で、自分の意見をどう伝えることが良い子なのかが分からなくなり、作り笑顔で過ごす時間が多くなることもあります。

これは、一例ですが、親や大人の何気ないひと言は、想像以上に影響力が強いのです。



苦しむ人たちと接して



ひとつひとつ、子どもたちと一緒に、親や大人から言われた言葉を紐解きながら、その言葉を発した時の状況、親の育った環境、背景、親の気持ちを一緒に考え想像していきます。

子どもたちは、セッションを受ける過程で、自分なりのチャレンジを繰り返し成功体験を積み重ねていきます。

クライアントがお子さんだった場合は、親と同時にセッションをおこない、親の関わりの変化、子どもの心の変化、を重ねていくことで変化が加速していくと感じてます。

何気ない言葉が及ぼす影響を理解していただくために、ご自身に向き合う時間をとっていただけますと幸いです。


終わりに



今日から少しだけ、子どもの対しても、自分に対しても、言葉を意識して使っていただけると嬉しく思います。

もちろん私も、日々さまざまな感情に揺さぶられますが、全ては、自分の中にあると思い、向き合いながら、思考の癖を客観的に知る努力をしています。

正解のないコミュニケーションに、向き合い続けることが大切だと思っています。




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