セレンディピティ

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日々感染対策を強化する一方で、ワクチン接種を急ぎたいですね。さてウイルスに対するワクチン開発と言えば、パスツール(19世紀)が有名です。この人、「セレンディピティ」を話題にする時、決まって取り上げられる定番の逸話があるそうです。新鮮なコレラ菌の培養でニワトリ実験をしていた時、助手がさぼって培養液を放置してしまった。それを知らずにニワトリに注射したところ、コレラにはならず、元気のまま。で、ふつうなら実験失敗で終わりですが、彼はその同じニワトリに、今度は新鮮な培養液を注射した。それでもニワトリは病気にならずピンピンしていた。ここでパスツールは「減弱された微生物は、免疫を与え、ワクチンとなりえる」という事実を導くことに成功しました。

セレンディピティとは一般には「偶然の出来事がもたらす幸運」という意味です。また「幸運な偶然を手に入れる力」という能力として語られる場合もあります。ここでポイントになるのが「気づく力≒感度」。パスツールは偶然に「よく分からない事象」にぶつかりました。しかしそれを打ち捨てずに、粘り強く探求した。それが「鶏コレラワクチンの発見」につながったのです。

日常業務で非常に大切だと思うのは「チャンス&リスク感度」です。後で振り返るとリスクだった、実はチャンスだった、ということが多いですが、その場で気づける感度が重要。セレンディピティはチャンス感度にあたります。結局「幸運につながる偶然」は、ただ待っていてもやって来ない。いや、来てるんだけど、感度が鈍いと気づかない。ただし、感度が鋭い人も生まれつきではなく、仕事などを通じて訓練されています。感度を意識して鍛える必要がある。「念のために取っておく」じゃあダメ。これだと物理的にも精神的にも断捨離できず、ガラクタだらけになる。やっぱり感度なんです(勘じゃない)。

ここで、セレンディピティでよく取り上げられるビジネス事例を3つご紹介します。コカコーラ、ポストイット、Twitterです。コカコーラ→水と間違えて炭酸水を混ぜたコカ。ポストイット→粘着性の弱い失敗接着剤。Twitter→社員が遊びで作ったツール(詳しくはWEBで)。共通なのは、「変化への気づき」と「新しさの受入れ」です。こんな時だからこそ、感度を落とさず、むしろ磨いて、「幸運な偶然」を手に入れたいですね。

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