マネジメントスタイル

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昨年、プロ野球ヤクルトの監督だった野村克也さんと関根潤三さんがお亡くなりになりました。関根さんはコーチ経験も豊富で、「人を育てる名人」と言われた。私の印象は、ゆるーい解説です。「いやぁ、二死二塁のチャンスですよ。ここでヒットが出れば得点になりますねぇ」。えっ、これ解説? 俺でもできるじゃん。当時はそう思っていました。それはさておき、今回はマネジメントスタイルについて考えます。

まずマネジメントとキャプテンシーの違い。前者はフィールドの外、後者はフィールドの中です。マネジャーは野球だと監督ですね(部活のマネージャーなどとは異なります)。監督の役割は大きく二つに分かれます。采配と育成。采配は短期的、育成は中長期的。采配は試合ごとに結果がすぐ出る。育成は結果が出るのに時間がかかる。関根さんは典型的な育成タイプで、采配は今一だけど、育成は上手い。戦績は3位が最高。でも池山、広沢、栗山など多くの選手を育て、みんな感謝している。逆に巨人の監督は短期的な結果を強く求められるので、采配重視で育成はあまり上手くないと思います。他球団からの大型補強と熾烈なチーム内競争で、目の前の勝利に徹底してこだわる。将来性を見込んで我慢することが中々難しい。野村克也監督は両方できた珍しいタイプですね。

この采配と育成を仕事に応用してみます。マネジャーに期待される4つの役割があります(東京商工会議所)。①船長、②設計者、③指揮者、④教師。すべて関連するのですが、あえて分類すると、①②は采配・育成の両方、③は主に采配、④は主に育成、に対応する。ご自身や身の回りの管理者は、どのタイプにあてはまるでしょう? もちろん采配・育成の両方(4タイプ全て)なんですが、あえて言うとどっち? 采配型は、早く結果(業績)が出るけど、人はなかなか育たない。育成型は、人は育つけど、業績貢献するまでに時間がかかる。

株式会社は、株主から単年度ごとの業績が求められ、かつ異動サイクルが短いので、自然と采配型になっていきます(巨人型)。もちろん「育成は重要だ」と強調しますが、だからと言って目の前の業績を後回しには出来ない。そもそも実績を上げないと、人はついて来ません(育たない)。しかし稀に(?)両方できる人がいます。実は采配と育成は別ではなく、強く連鎖しています。これは正論で、実践はなかなか難しい。でも、自然と采配型になるんだったら、「育成」を少し強めに意識するくらいが丁度よいのかもしれない、そんな気がします。

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