会社でコーチング②「領域」

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コラム
 こんにちは。タムシンコーチです。
 40代の会社員で新規事業開発を担当。副業で「人生100年時代」の転換期を乗り越えるライフステージ・コーチをしています。
 コーチ・エィを創設者である伊藤守さんの書籍『コーチングマネジメント』から「会社でコーチングを導入する」パートを紹介する2回目です。

どんな領域に機能するのか?

 ではどんな領域に、コーチングが機能するのでしょうか?
伊藤さんは「緊急性」「重要性」の2軸から4象限に分けて説明します
緊急性・重要性.jpg
(書籍よりが図示を改変してタムシンコーチが作成)。

これはスティーブン・コヴィーさんの『7つの習慣』と同じ切り口ですね。

重要かつ緊急なもの

 この領域は「放っておいてもやる」から、これをゴール設定にするのは賢明ではない
と伊藤さんは言います。
 とはいえ、多くの場合、この事柄に毎日忙殺されているのではないでしょうか?
 「何かお話ししたいテーマはありますか?」
と依頼主(クライアント)さんにコーチが質問を投げかけると、この領域の事柄が出てくる可能性があります。

 目先のテーマとしてはOKなのですが、その奥には「本当に重要なこと」があるかもしれません。
 伊藤さんは
この領域の事柄を整理し、効率よく処理する必要がある。
と言っています。この領域に留まらず、サッと整理して処理するのが賢明そうですね。

重要ではないが、緊急な事柄

 これが一番やっかいかもしれません。
 重要ではないのに、緊急なため、これに振り回されてしまうことはありませんか?
この領域は手をつければつけるほど、重要なゴールを達成することが難しくなる
 と伊藤さんは警告します。
 もし、マネージャーとして1on1で部下にコーチングしているお立場であれば、部下にこの領域は効率よくサッサと処理させるのが賢明です。
 「それはどのくらい重要なの?」
 「それが遅れると、何が困るの?」 
 「それをやらないと決めたら、どうなるの?」
 など部下に拡大質問してみるのも手ですね。
 また上司として、自分自身が「重要でないが緊急な業務」を部下にお願いしてないか、自身を振り返るよう私も注意したいと思います。

重要でも緊急でもない事柄

 これは放っておきましょう!(笑)

 ただ、部下がこの領域に「逃げ込んでいる」場合は注意が必要です。
 コーチングでゴール設定をする以前の問題です。
 「やろうと思っているのにやっていない」
 「やめようと思っているのにやめられない」
 些細なことでもこの「未完了」な事柄は、部下の注意とエネルギーを奪っていきます。
 上司は「未完了」をしっかりと「完了」させてることが求められます。
 完了することで、ようやく部下は目標へ向けてエネルギーを向けることができるようになります。
 完了してはじめてコーチングのゴール設定が可能となります。
 未完了が多い部下は、身の回りのこと、スケジュール管理、整理整頓、約束を守る、遅刻しない……など小さなことができていません。
 定期的に1on1しながら「未完了」が「完了」したか、寄り添って確認してあげる必要があります。
 この記事を読んでくださっている方は、
 「何やってるんだ!」
 「前にも言っただろう!」
 「何回言わせるんだ!」
は言わないとは思いますが(笑)、確かにこの方法は手間は掛かります。
ですが、部下の成長は上司の喜びです。頑張りましょう!

重要だが緊急ではない事柄

 これがもっともコーチングでは大切な領域だと伊藤さんは言います。
 (コヴィー先生もそう言ってましたね)
 緊急な事柄は「やらざるを得ないもの」でしたが、この領域の事柄は重要なのに緊急でないために、なかなか手を付けない事柄です。

「いつかはやろう」と思いながら、ずっと放置されます。
 放置されているうちに、徐々に緊急性が増していき「重要かつ緊急な領域」に移行してはじめて実行されることが多いです。

 「この領域に真っ先に手を付けるべき!」
 というやり方では上手くいきません。

 「重要かつ緊急な事柄」を減らすこと、に注目します。
 上司として、緊急なことが起きないリスクマネジメントが重要なのです。

 この領域は、仕事の方向性や人生など大きなテーマになります。
 考えるには時間もかかりますが、コーチングが機能する領域です。
 依頼主さんを誘導するのはもってのほかです
 でも、依頼主さんの人生にとって大きな気づきが得られるようなセッションにするには、「大きな問い」を拡大質問・核心で投げかけていくと良いかもしれませんね。

 会社において、コーチング実践中、導入を検討している方にとって、少しでも参考になればうれしいです

1回目は「対象」について書きました。
まだお読み出ない方は、ご覧いただけると励みになります!


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コーチングセッションのご紹介

「コーチングって少し興味あるけど、どうやるの?」
「社内コミュニケーションでコーチングを使ってみたい」
「部下との関係がギクシャクする」
「部下が本音を言ってくれない」「部下から距離を置かれている」
 こんな場合は、コーチングを学び、中間管理職としてコーチングを実践中のタムシンコーチにご相談ください。
 同世代の40代コーチだからこそ、社内では話しにくいテーマでもお話できると思います。


タムシンコーチのプロフィール

副業プロコーチ。普段は民間企業で新規事業開発を担当する40代マネージャー。対話を通じて悩みや不安、ストレスを生じさせる問題を探り、目標達成をお手伝いします。皆さまの成長がなによりの喜び。コーチング組織CTIの応用コース修了。コーチング×MBA×ポジティブ心理学のかけ算を実践中
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