絵本にでてくる平仮名は読めるようになるし書けるようになる

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コラム
「子供がなかなかひらがなを習得できない」みたいな話を聞いたので、ふとひらがなの習得過程に興味が湧いて調べてみることに。
そんな中で、ひらがなの文字の難しさ自体が読み書きの習得に影響があるのでは?という面白そうなテーマのお話があったのでメモ(1)
▼こんなことを知りたい人向け
・子供が読める字書ける字TOP3
・絵本と読める字の関係
・ひらがなの複雑さと書字習得の関係

①幼児が読める字と書ける字
まずおもしろいなと思ったのが、ひらがなにも読めてる字と書けてる字が違うよ!という視点。
ひらがなの文字自体の難しさを考えると確かにそうなんですけど、普段当たり前に使っていると見落としガチな気がします。
1972年国立国語研究所の「幼児の読み書き能力」から、2217名の4,5歳を対象とした調査データが参照されています。ちなみに読める字と書ける字の上位は、
読める字ランキング TOP3
1位 「か」
2位 「み」
3位 「の」
書ける字ランキング TOP3
1位 「し」
2位 「い」
3位 「こ」
だそうです。
子供たちが一番読めるひらがなが「か」というのは意外ですよね。
なんで?ってところを研究者は「文字の難しさ」と「接触機会の多さ」との関連から調べたそうな。
②ひらがなの読みを習得するには文字接触
「ひらがなを読めるのは、文字に触れる機会が多いからじゃない?」というところから、
1 )子供たちによく読まれている絵本約5,000冊を選ぶ
2 )そのうち漢字が出てこない2,801話を選ぶ
3 )文字頻度を算出
で子供たちの読める字と絵本によく出るかの関係を調べたそうな。興味深いですよねぇ
そうしたら有意な相関関係があることがわかったそうです。
つまり
・絵本によく出てくるひらがなは読めるようになりやすい
ということです!
③ひらがなの書きを習得するには文字接触と視覚処理
前述の調査から、絵本によく出てくるひらがなは書ける字にも相関があることがわかりました。
つまり
・絵本によく出てくるひらがなは書けるようになりやすい
ということです。
また、「難しいひらがな(たとえば”ほ”)は文字の形にもよるのでは?」というところから、文字の難しさと書ける字の関係を調べました。
文字の難しさの考え方も面白くて、周辺長複雑度というので比較したそうな。
そうしたら、こちらも有意な相関があることがわかりました。
つまり
・比較的簡単な形態の文字の方が書けるようになりやすい
ということです。
要するに子供たちが書ける字の特徴として、
絵本によく出てきて、形が簡単な文字だと書ける
ってことですな
▼まとめ
・絵本に出てくる回数が多いと、子供は読めるようになるし書けるようになる。
・形が簡単な文字の方が書けるようになる。
言われてみると当たり前に感じますが、個人的には実際のデータを見て関連性があるとわかるとますます腑に落ちて良い感じ。
もちろん文字に触れる機会は絵本だけではありませんし、研究者もひらがなの習得には他にもたくさんの要因の影響があるからまだまだ検討が必要と申しているところですので、どうぞよしなに。
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