そもそも『注意力』ってなんなの?

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コラム
「子供が勉強に集中できないんです」
というのをよく耳にします。

僕の解釈では、『集中できている』とは『注意をコントロールできている』ということです。
つまり、集中力とは注意力をコントロールする力なんですよね。

じゃあ、そもそも『注意力』ってなんなの?ってところをアメリカの心理学者マイケル・ポスナー教授のお話(1)を参考に調べてみました。



□□□【注意力】とは□□□

まず、注意力には3つの構成要素があるそうです。

①警戒・・・刺激に対して備えること
②選択・・・感覚からの情報を選択すること
③認知制御・・・思考、感情、反応の葛藤を解決すること


▼①警戒(alertness)

これは
「ん?」「おやおや?」「あれ?」「おっと」「はっ」
みたいに外部の刺激に気づく感じ。

例えば、勉強しているときに
「あれ?これなんて名前だっけ?」
「周りがうるさいな」
「あ、消しゴム落とした」
「なんだっけ?」
みたいに注意が逸れる瞬間です。

読んだ資料には”Alertng”と書かれていたので、ちょっと緊張感がある感じかもしれないです。


▼②選択(selectivity)

僕らは感覚から得られる情報を取捨選択しています。

どういうことかというと、
先生が話しているときに先生の話を聞こうとしたり、
嫁が話しているときに丁度テレビが盛り上がっていたらそっちに意識を向けたり、
街中を綺麗な女性が歩いていたら注目したりする感じです。

特定の情報を探して選択し、注意すべきところに意識を向ける感じです。


▼③認知制御(cognitive control)

これはたとえば
「勉強やりたくないけど宿題やらないといけない!」
「仕事したくないけど準備しなきゃいけない!」
「このケーキ美味しそうだけど、ダイエットしてるから我慢しなきゃ!」

葛藤が生まれたときにそれを解決に導く感じですね。


この3つの要素
①警戒②選択③認知制御が人の【注意力】を構成しているようです。


□□□注意力を発揮するタイミング□□□

注意力をコントロールする必要がある状況というのは
(1)目新しことがあるとき
(2)問題の修正や解決をするとき
(3)困難や危険があるとき
(4)習慣的な反応や傾向を克服するとき

です。こういった場面では注意力のもう1つの側面
【実行制御】と【自己調節】の力が必要になります。

▼実行制御
実行制御は、行動や思考をコントロールすること。
抑制制御、認知的柔軟性、ワーキングメモリなどが関連しています。

自分の順番を待つとか、気持ちを切り替えるとか、相手の気持ちを考えるとかです。
社会的スキルの発達に欠かせないものだと言われています。


▼自己調節
自己調節は、欲求や感情をコントロールすること。
これには自己主張と自己抑制の側面があるようです。

みんなに自分の意見を伝えるとか、相手の意見を受け入れるとかです。
強い衝動や否定的な感情に対する反応を制御するのも自己調節が必要です。
こちらも社会的スキルの発達には欠かせないものだと言われています。


何気なく行っていることも
実は注意力を発揮して行っていたんですね!


□□□注意力は育てることができる!□□□

こうしてみると注意力をコントロールすることってめちゃくちゃ大事に思えますよね。
実はこの力は赤ちゃんの時からすでに発達が始まります。親さんの笑顔や笑い声から子供は感情のコントロールを学んでいるそうなんです。やっぱり親さんの関わり方って大事なんですね〜

また、実行機能や自己調整は学校生活での適応や学業成績に影響があるため重要な発達課題であるとされています。

注意力は遺伝的な要素もありますが、訓練によって育てることもできるそうです。
どうやって鍛えるかは、またリサーチしたいと思います!


今回は、『注意力』ってそもそも何?ってところを理解して、集中できない子がいたら「気が散るきっかけがあったか?」「注意を散漫にしてしまう環境ではないか?」「余計な不安やプレッシャーを与えてしまってないか?」みたいなところを意識できたらよろしいのではないでしょうか。

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