得られるモノより失う恐れ

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コラム
プロスペクト理論というものがあります。
Kahneman and Tverskyによって提唱された行動意思決定の理論で、ある行動を選択した時に得られる結果によって人の意思決定がどのように変わるのかを考えたんです。

つまり
"人は利益を得られるときに行動しやすいの?"
"人は損失が起こりそうなときに行動しやすいの?"
を考えたんですな。

研究によると、人は利得より損失の方が価値関数の傾きが 一般に大きかったそうです。

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要するに
損失の方が利得よりもインパクトが大きいということ。

以前お話しした内発的動機付けと外発的動機付けの話で、インセンティブ(報酬)が目的になっちゃうと行動が続かなくなっちゃうよーとお話ししたことがあります。

ただインセンティブはめちゃくちゃ強力で、人の行動を駆り立てるのに役に立つんですよね。だから上手に使う必要があります。

何かをやったら報酬を与える(目の前に吊るしたニンジン方式)のインセンティブの与え方もありますが、それより強力なのが先ほど説明したプロスペクト理論を応用したインセンティブの与え方です。

上のグラフ見てもわかるように利得の領域は、最初グッて上がるけど次第になだらかになってます。インセンティブ(報酬=利得)与えてもモチベーション上がりやすいの最初だけってことなんです。

それよりインパクトがあるのは損失です。
人は持っているものを失うのがイヤなんです。

「儲かりますよ〜」
「より損しますよ〜」
の方が行動したくなりません?

それを使います。

どうするかというと
「これができたら任天堂スイッチを与えます」ではなく
「任天堂スイッチを与えます。ただし、これができなかったら没収です」

と順番を逆にする。
【できたら与える】ではなく【最初に与える】スタイル。
できなかったら没収。人は得られたものを失いたくないので行動できるという考え方です。


この話を聞いたとき僕は"スマホ18の約束"を思い出しました。

スマホ18の約束とは、アメリカのある母親が息子にスマホを与えるべきか悩んだ末に作った息子さんとの契約書の話です。

これも先に与えて、それからどうしてほしいかを伝えているなと気づきました。

インセンティブの与え方もいろいろですね!
唯一の最適解なんてどこにもありませんから、いろいろ試してうまくいくものを見つけられると良いですね!


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