英語学習TIPS その③『ネイティブ級じゃなきゃダメ!?日本人のペラペラコンプレックス』

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日本全国の英語学習者の皆さん、こんにちは!

日本の英語教育を変える戸田Tです!

最近よく、中・上級者の方から英会話を習いたいという問い合わせをいただきます。ここで言う中級者以上という方は、英語で会話をするうえで時間はかかるものの、ジェスチャーや図示、講師からのサポートがあれば会話が成立するレベルだと思ってください。もちろん、学習者は初心者から上級者まで学習の目的は様々ですから、中級以上の方がいらっしゃることは何ら不自然なことではありません。しかし、多くのお客様に共通しているのは「自分は初心者である」「自己紹介しかできない」など、自分を過少に見積もる傾向があるんです。それだけだと、謙虚な日本人の性格によるものだということもできるのですが、学習の目的を深く聞いているとどうもこの問題はかなり根が深いようで、急遽本件につき書かせていただくことになりました。ぜひ、今後学習するうえで参考にしてください!

1.受験勉強は卒業!会話に舵を切るべし!

さて、中級者の方、ということで話しましたが、日本にいて独学でそのレベルに到達されている方は努力家で頭が良い方が多いです。スクールで出される課題にも真面目に取り組みますし、飲み込みもはやく、またTOEICや英検など自分で目標を立てて行動をする積極性も大いに見受けられます。それ自体は本当に素晴らしいのですが、受験勉強と同じ要領で机に向かって暗記一辺倒の勉強をしていませんか?

確かに、暗記は語学を身に着けるうえで非常に大切です。ボキャブラリーや文法がゼロでは、会話を成立させるのは困難ですからね。しかし一方で、実際の会話とは言葉のキャッチボールであり、相手の反応を見ながらテンポよく発言することが求められます。その面で、実は言語の学習とはスポーツの練習に近いのです。

スポーツをするとき、自分は無意識であると思っていても、脳は体を動かすように指令を出しています。ですから、スポーツで上達するということは、脳がどのように体に指令を出せばよいかを覚えているということなんです。よく、徐々に慣れてきたとか、体が覚えているとか言いますけど、正確には脳が体の動かし方を覚えたとでもいうべきなわけです。

それはもちろん、言語にも当てはまります。言葉を放つということは、スポーツと同じように脳から指令を出しています。それがキャッチボール状態になると、さらに脳の働きは複雑になっていきます。そこに対応するための訓練をしなければ英会話は上達しません。よく英会話は中学英語で十分なんて話を聞くと思いますが、中学英語の文法は日常会話に必要な内容のほとんどを網羅しているので、それ以降は勉強の比率を会話重視にシフトしていくべき、のほうが正しいでしょう。

2.『カタカナ発音が恥ずかしい!』から脱却せよ!

日本に生まれて育ち、大人になった皆さんの多くは中学生から英語を勉強し始めた方々が多数派ではないでしょうか。小学生時代にはなかった新しい教科に対して物珍しさや新鮮さを感じるのは最初のうちだけで、徐々に難しさや発音に対する気恥ずかしさから、英語の授業から英会話の部分が授業から消えてしまうというのが日本全国で起こっている問題だと思います。

その中でもネットで良くネタにされるのが、発音です。一生懸命英語らしい発音をしている生徒がプーックスクス!と馬鹿にされ、徐々にカタカナ発音になってしまうという話は私自身も経験があります。しかし、大人になってから英語を勉強し始めた方の多くが、発音を後から強制することのとてつもない難しさに直面しています。

ただ、今回のポイントはそこではなく、そもそもネイティブ発音は必要なのか?ということです。例えば英語圏の国に引っ越して、移民だと知られずに住もうと思ったらネイティブ並みの発音は必要になります。あるいはこれから向こうで俳優になろうと思っていたら、必要かもしれません。しかし、少なくとも日本在住でそこまで英語を使うこともない方が、ネイティブ同等の発音を身に着ける必要があるでしょうか?いや、ありません。

もしもあなたが大学生や、社会人で今後英語を使う必要が出てくるといった場合に、大切なのはアメリカ風・イギリス風の発音よりも発言の中身です。友人として接するにしても、ビジネスの相手として会社を代表して話す場面でも、大事なのはあなたが何を考えるか、そして何を言うか、どう振る舞うか等人格や性格に関する部分であり、発音が多少おかしかろうと大した問題ではないのです。そもそも英語は地球語なんて言われてから久しく、英語圏以外であっても当然のように使われます。フランス人はフランスなまりですし、ドイツ人はドイツなまり、中国人は中国なまり、タイ人はタイなまりです。日本人が日本なまりの英語を話したとして、何も問題はないわけです。

3.帰国子女というコンプレックス源と競うな!

第2項と少し被るかもしれませんが、勉強をして英語を使う立場になると、必ずぶつかる壁があります。それは帰国子女・ハーフ・留学帰り・インター卒等、日本で日本人の親から生まれて育った普通の日本人が得難いバックグランドを持っている英語ペラペラの方々です。彼らは徐々に上達してきたあなたの前に立ちはだかり、絶対的な英語力の差をもってあなたを打ちのめします。ネイティブと一緒に過ごす場面では、流暢かつ現地人でしか使えない表現であなたに劣等感を植え付けます。あなたは努力しても勝てない相手だと悟り、今後の会話がストレスフルでつまらないものになります。

このようなお客様に数多くお会いしてきましたが、結論を言えば彼らと流暢さやネイティブ表現、あるいは同じ国で過ごした文化的なバックグラウンド等の分野で張り合う必要は皆無です。その場にいると、これだけ一生懸命頑張ったのに彼らに英語力でかなわないと感じるかもしれませんが、本当に正直に申し上げると、彼らの得意分野で勝負させられていると感じるのであれば考え方を変えるべきです。

ここに至るまでの間、多くの学習者が流暢に話すこと、つまりネイティブのように話すことを目標としてきたのではないでしょうか。しかし、徐々に話せるようになってきたからこそ、今後は何を話すか、どのように話すかに考え方をシフトしたほうが良いです。なぜなら、ある程度会話が成り立つのであれば、そこからはもはや人間力の世界になっていきます。日本語でもそうですよね。話すのが速くて、饒舌で、語彙が豊富な人物と会話をすることを、必ずしも全員が魅力的に感じるわけではないということです。むしろ、ペースに合わせてゆっくり話してほしい、話を聞いてほしい、単刀直入にものを言ってほしい、意見よりも共感してほしい等、単に会話といっても求められる内容は相手によって大きく異なるのです。

多くの日本人が勘違いをしていますが、来日外国人との関係でも同じようなことが言えます。例えば英語の学習目的で外国人の友達を作りたい!と思うことは何ら不自然ではありません。しかし、それって外国人側からしたらかなり失礼なことだと思いませんか?だって、その外国人だって性格があり、話したい内容があり、友達を選ぶ権利がある普通の人間なわけです。ところが日本人は、日本でネイティブの英語話者と会う機会があまりに乏しいために、外国人とお近づきになれると思うと誰彼構わず交流を持とうとする傾向があります。もちろん、その外国人も日本に来たばかりで友達もいない状態だと、棚ぼたで甘えてしまうことはあるでしょうし、そこから生まれる友情もあります。しかし、既にある程度の英語力を身に着けていて会話を成立させることができる人物であるなら、やみくもにネイティブらしさを求めることから卒業して、中身を重視したコミュニケーション力の向上を目指してみてはいかがでしょうか。

4.終わりに ペラペラのコスパの悪さ

いかがだったでしょうか。

今回のブログは、生徒の立場から教育者として20年以上英語教育に関わってきた自分の経験談が多分に含まれています。かくいう私も、ペラペラコンプレックスから海外へ1年滞在した過去があります。しかし、流暢さと引き換えに得たものは非常に少なく、また失った時間や労力、金銭は莫大です。

実際のところ、英語力を極限まで高めたところでそれを活かせる職業は英語の教師か通訳ぐらいしかないのです。そもそも語学とは、自分の専門の他にプラスアルファで出来たら選択肢が広がるな、ぐらいのものです。(少なくとも、現在の日本ではそうです)私自身、海外旅行の時や駅でたまたま外国人観光客に道を聞かれたときぐらいしかプライベートで使う機会はありません。

全国のペラペラコンプレックス、また中上級者の皆さま、これを機にご自身の努力をもっと褒めてあげては?今まで頑張った成果はしっかりと形になっています。それがネイティブや帰国子女並みじゃないからと言って、何か不都合があるでしょうか?ご参考になれば幸いです。

それではまた次回!
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