心理的安全性について(第7回)

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ビジネス・マーケティング
(先週の続きです)

『心理的安全性を導入する難しさ』

心理的安全性に賛同する人は経営者の間でも少なくありません。多くの人が良いものと認識できるにもかかわらず、なかなか普及しないのもこの心理的安全性です。

ある企業の経営者で心理的安全性について話し合った時、いきなり口喧嘩が始まりました。相手の言ったことが気に入らないのです。自分の考え方と違う。単語のチョイスが気に入らない。相手の態度に苛立つ。きっかけを辿れば瑣末なことです。みんなが安心して発言できるようにしようと言っているそばから、経営幹部が感情的になって言い争いを始めました。「あんたがそんな態度だからみんなが物を言えないんだ!」と、言っているその人も充分に怖いし(苦笑)

一般論として女性より男性、若者より年輩者、職位の低い人より高い人の方がプライドが邪魔して新しい価値観の受け入れが難しいと言われますが、日本の組織の多くは年配男性が“支配”しています。それが必ずしも駄目だということではないのですが、まだまだ新しい概念である心理的安全性を導入することが難しくなってしまう一因ではあるかなと思っています。

心理的安全性は階層が下の人からは肯定的な意見が多く聞かれます。みんな自分の声を聞いてほしい欲求はあるのです。しかし一方で上の人間にとっては我慢を強いられる場面が多くなります。「聴く」トレーニングができていない人も少なくありませんので、多くの人の意見を聞くだけでもストレスに感じることも多いでしょう。

(明日に続きます)
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