心理的安全性について(第8回)

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ビジネス・マーケティング
(昨日の続きです)

『心理的安全性を導入する覚悟』

そもそも「心理的安全性を導入しよう。」と考える職場は、現状でその部分に課題を抱えていることは間違いありません。その原因を経営陣や社風が作っている場合も多いわけですが、当人達にとっては自分達に原因があることは受け入れ難いことです。

中には経営層が末端の情報を都合良く集めるための方便として心理的安全性を利用しようと考えていることもあります。「なんでも自由に発言して良いって言ってるじゃないか。それなのになんでお前はそんな大事なことを黙っていたんだ!」…これでは100%失敗に終わると考えて良いでしょう。上の階層が変われない場合には、心理的安全性の導入は途中で挫折する可能性が高くなります。「社長や部長は今までと同じじゃないか!」では誰も本気になれません。自分は変わらないけど相手は変わってくれというのはあまりに身勝手というものです。

心理的安全性が無い環境というのはハラスメントがある環境に近いものがあります。例えば相手がどう受け取るかが大切というところがよく似ています。また相手がどう受け取るかが問題であることも似ています。自分はできていると思っていても相手が心理的な安全性を感じていなければ無意味です。しかし明確に異なるところもあります。ハラスメントはコンプラ違反で法に触れる場合もありますから絶対にダメであるのに対し、心理的安全性の導入はあくまでも任意です。任意だからこそ、導入するためには経営層やマネジメント層の覚悟が問われるというものです。

(終わり)

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