小さな組織における教育(6)〜蚤の集団の処方箋・後編

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それでは無意識の「自主規制」を打破するにはどうしたら良いでしょうか?
「できる」ことを本人に自覚させる必要があります。そのための近道は結果をイメージさせる目標設定です。自主規制を破るには結果を先に見せつけることが非常に有効です。実例があるだけでも説得力は高まりますが、目の前で達成していることを見せつければ、まさに百聞は一見に如かずのままに、意識が変わり行動変容を引き起こしやすくなります。

話を蚤に戻します。蚤たちの「自主規制」を破るために、「自主規制」の無い蚤を一緒にしてみましょう。当然、「自主規制」の無い蚤は自由に跳ね回ります。普通に跳べる蚤の姿を見ていくうちに、周りの蚤も「自主規制」を解除して本来の跳躍を取り戻し、やがてすべての蚤が元の通りに元気に跳びはねるようになるのです。

組織における教育において、「自主規制のある蚤」が“常”だとすれば、「自主規制の無い蚤」の役割を果たすのが“太上”の人です。“太上”を外から連れてくるか、意欲と資質のある人を自前で育てるかは組織状況に拠りますが、学習意欲が高く、成長の早い“太上”を見ているうちに“常”の一部の人は学び方、成長の仕方を取り戻し、結果の出し方を学習します。”太上”の人はできる姿を”常”に示してくれますので、それが目標設定に大いに役立ちます。

「自主規制」の無い蚤の役割を果たす"太上”の人数が増えてきたら“常”を教育できる段階になります。この順番を無視して全員に一様な教育をすることは、教育効果は限定してしまう可能性が高まります。どの順番で誰から伸ばすかは、組織における教育でとても大切なポイントです。

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