新人教育トレーナー研修053 脳の機能を体感する(タネ明かし編)

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(30秒経過)
では皆さんの紙を見せてください。ひらがなの「あ」を書いた人が多いですね。ところで、みなさんはどうしてひらがなの「あ」を選んだのですか?ひらがなの「あ」を書いてくださいなんて私は一言も言ってませんよ?もう気が付いたでしょうか?このテストで求められることは、30秒以内にたくさんの文字を書くという結果ではありません。 脳が自己判断をすることを体感してもらうための実験です。

このテストをすると多くの方がひらがなの「あ」を書きます。私は“ひらがな”と指定しませんでしたが、脳が不足している情報を過去の経験などの基準から補って、ひらがなを選択したのです。時々カタカナを選択する人がいます。複雑な形の「あ」より単純な「ア」の方が速く書けると瞬時に判断したキレ者です。また同じようにひらがなを書いていても、小さい文字にすることで数を増やした人もいるはずです。これも判断基準の差です。

以前にどうしてもチームワークが苦手な介護職員が居ました。その人のこのテストをやってみたら、最初はひらがなで書き始め、途中でカタカナに変えました。そしてさらに途中から横書きから縦書きに変えました。テスト中に自分で判断し、最も効率の良い方法に切り替えたのです。すばらしい判断力です。しかし、他の人とは思考プロセスが異なっているということも分かりました。この方は介護施設内で他の職員と息を合わせて働くよりも、訪問ヘルパーとして単独で動く場を与えることで力を発揮してくれました。

どちらが正解ということではなく、これが個人の判断の差ということです。みなさんの中で他の人と違う判断をした方はいましたか?個性も大切ですが、周りの人と息を合わせることを意識する方が良いかもしれません(笑)

※このスライドをデータとしてご覧いただいている皆さんは文字情報で「あ」を視覚的に認識していましたが、実際の研修では、“あ”を音声として聞いただけで判断しなければなりません。結論から言えば、ほとんどの人(日本人であれば)はひらがなの「あ」を書きます。出題時に「ひらがなで」と指定しなくても、多くの人がひらがなを選択します。これは耳から入った情報だけで脳がどのような判断をするかをテストするものです。テストの説明はささっと済ませ、被験者にあまり準備をさせずに一気に始めてください。相手の予備情報が増えるほど、テストの効果が薄れてしまいます。


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