早速ですが、今日は事例をひとつ。
アルツハイマー型認知症の患者さんが肺炎で入院してきました。
現在は入院3日目、点滴はまだ持続で本体も抗生剤もしています。
日中は落ち着いてますが、15時ごろよりそわそわ…
どの病院でもよく起こると思いますけど、これ、なんでだと思います?
スクロールする前に少し考えてみてください♪
・・・要因は本当にいろいろなことが考えられます。
たとえとして、
・熱発が夕方ごろにちょうど上がってくる。(熱性のせん妄)
・環境変化による不安やストレスが15時ごろに増強する
・帰宅要求があるけど言葉では上手に伝えられない
・入院前の以前いた場所では、15時に間食があった
・夕方ごろよりいつもは家事をしていた、散歩をしていた
などなどです。
「そんなん情報すくなすぎでしょ!?」って思いましたよね!?
そう!情報は不足していますけど、それが肝なんです!
その【情報が不足している】っていうのが大事ってこと。
私たちが普段とっている情報収集用紙:アナムネですが、どこまで患者さんのことが把握できるように作られているでしょうか。緊急連絡先、普段の食事、排泄、運動機能、、、などはあるでしょうが、普段の生活についての記載はありますか。
『何時に寝て、何時に起きて、家事は誰が作って、どのような一日を送って、趣味は何で、嗜好品は何で、昔の職業は何で…』
これらの情報を知ることで、入院している認知症者であっても認知症のない患者と同じように落ち着いた生活を送ることができるかも知れません。
先ほどの事例に情報をつけ加えてみると、
・普段は15時ごろより夫と共に間食を行う。たまに近所の友達夫婦と散歩へ出かける。
・趣味は編み物。家では時間があれば編み物を行っている。
・毎日同時刻に家人より電話で安否確認をされている。
どうでしょうか。
これだけでもわかれば、この患者さんにとってどんな対応をすれば落ち着いて入院生活を送ることができる手助けになりませんか。
・家人から嗜好品の間食を持参してもらい、同時刻に食べていただく
・また、編み物などを持参しもらう
・必要であれば電話の協力要請も依頼する
これらをしてもらうだけで、少し落ち着くかもしれません。
認知症者との対応では、これまでの生活を考慮した対応を心がけるようにできると良いですね。
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