小規模企業持続補助金とは?① ~要件編~

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ビジネス・マーケティング
 審査員の目線がわかる中小企業診断士「失敗しない事業計画相談室」です。

 今回のテーマは、申請の要件と採択後の事務手続きです。一生懸命に高品質の事業計画を策定したのに要件と合わずに自動で不採択、せっかく採択できたのに必要な書類を集め忘れて書類不備で補助金が下りない、このようなことを避けるために、ぜひ、ご確認ください。

1.申請の要件:そもそも補助金の対象か?

【補助金の対象】
▼従業員
・商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):常時使用する従業員の数5人以下
・サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数 20人以下
・製造業その他:常時使用する従業員の数 20人以下
*役員・派遣社員は従業員に入りませんが、パート・アルバイトは含まれます
*個人事業主も含まれますが、開業前は対象外です

▼支出内容
・機械装置等費:事業の遂行に必要な機械装置等の購入に要する経費
(家族づれ集客のためのベビーチェア、省スペース化のためのショーケース、生産販売拡大のためのオーブン・冷凍冷蔵庫、新たなサービス提供のための機械、など)
・広報費:宣伝コンテンツ作成するため、広報媒体等を活用するための経費
(ウェブサイト作成や更新、チラシ・DM・カタログの外注や発送、広告、看板作成・設置、試供品(販売用商品と明確に異なるもの)など)
・展示会等出展費:展示会への出展、商談会に参加するための経費
(展示会出展の出展料等に加えて、関連する運搬費(レンタカー代、ガソリン代、駐車場代等は除く)・通訳料・翻訳料も補助対象)
・旅費:各種調査や販路開拓等のための旅費
(展示会への出展や、新商品生産のために必要な原材料調達の調査等に係る、宿泊施設への宿泊代、交通費など)
・開発費:新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう経費
(新製品・商品の試作開発用の原材料の購入、新たな包装パッケージに係るデザインの外注、業務システム開発の外注)
・資料購入費:事業遂行に必要不可欠な図書等の経費
(取得単価(消費税込)が10万円未満)
・雑役務費:補助事業期間中に臨時的で雇ったアルバイト・派遣の経費
(補助事業期間終了後に正規の従業員として雇う場合、補助事業と異なる通常業務のために雇う場合は対象外)
・借料:機器設備等のリース料・レンタル料
(補助事業のためにの新たに事務所を賃借料、PR用 イベントの会場を借りるための費用(広報費ではない))
・専門家謝金:指導・助言を受けた専門家等への謝礼
(この補助金の申請代行・助言の費用は対象外、セミナーは対象外)
・設備処分費:専門家への旅費
(「旅費」と同条件)
・委託費・外注費:上記該当しない経費であり、第三者への依頼費用
(上記に該当しない業務委託費・外注費)
*人件費や汎用性の高いもの(自動車・パソコン等)は対象とならない。中古品も原則対象外。要は「この申請した事業以外でも使うことが可能=申請した事業と他のものに補助金を使われる」ことを国としては避けたい
*詳細は、令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>【公募要領】 、のP38~P47を参照(特に対象にならない方に注意)

▼補助金の金額
・50万円(消費税抜き、使用金額の2/3まで)。
・つまり、30万円使用したら20万円(10万円は自腹)、75万円使用したら50万円(25万円は自腹)、となります。
・消費税抜きの金額なので、ご注意ください

▼商工会議所の確認
・今回の2022年2月4日締め切りの補助金(「一般型」と言われるもの」は、商工会議所で事前の相談を受け、確認書類を受け取る必要があります。
・込み合ってくると(特に締切直前)は、相談・確認に時間がかかるケースがあります。そのため、申請書の作成に着手したら、完成前にまず相談日の予約をして、相談から確認書完成にかかるまでの時間を確認しましょう。

▼電子申請
・郵送でも受け付けられますが、CD-Rの準備などで手間がかかるのと、電子申請の方を行うと「重点的支援を得られる」(=採択されやすい)ので、電子申請をオススメします。
・電子申請に際しては、補助金申請システム(名称:Jグランツ)の利用になります。
Jグランツを利用するにはGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。アカウントの取得には数週間程度を要しますので、利用ご希望で未取得の方は、お早めに利用登録を行ってください。
*暫定 G ビズ ID プライムアカウントは使用できません。申し込みページが若干まぎらわしいので、「GビズIDプライムアカウント」で取得してください。

2.採択後の手続き

・採択後に必要な書類を揃えられるかどうか、事前に確認しておくことをオススメします。
・基本的には、自分で準備すべき書類は、見積書・発注書・請求書・支払い証明(銀行振込受領書など)、成果物(ウェブサイトの写真、チラシの配布先・数量日付等、納品書など)が主なものとなります。
・上記内容を揃える必要があるため、複数のもので補助金申請すると、かなりの手間がかかります。事務効率を考え、できる限り、1つないしは2つの内容に絞ることをオススメします。
*詳細は、小規模企業持続化補助金サイトの「実績報告書 提出書類のご案内」を参照ください。ウェブページでかなり詳しく説明されています。

3.その他注意点

・補助金として採択された後、すぐにお金が振り込まれるわけではありません。使用する経費を全で支払った後、完了を書類で報告・審査完了後に、初めて補助金が振り込まれます。つまり、「完全後払い」です。そのため、事前に補助金の対象経費の運転資金を準備する必要があります。
・「申請対象期間内に使用した費用」のみが対象とです。例えば、申請対象期間が7月〜11月の場合は、開始前の5月や終了後の12月に使用した費用は対象外です。せっかく採択されても使用する時期によって補助金が支払われないので注意が必要です。






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