書類選考は2回ある(転職版)

記事
ビジネス・マーケティング
転職を経験した人は必ずと言っていいほど、「書類選考」を受けたのではないでしょうか。中途採用では基本的な選考フローとして、

書類選考 → 面接(1〜3回) → 内定

の流れになっている。選考で最初に通るのが履歴書、職務経歴書、デザイナーやエンジニアの方はポートフォリオを提出する書類選考となる。

ここで一つ質問ですが、書類選考は「誰が」「いつ」「どのような観点で」判断しているか知っていますか?このことを知ったうえで応募書類を作成することを強くオススメする。実は知っておくだけで書類選考の通過率が大きく変わる。先に言っておきたいが、面接は複数回、書類選考は1回。ではないということ。書類選考は2回ある。

書類選考は「誰が」「いつ」判断しているのか?

 企業規模にもよるが、人事(採用担当)が在籍している企業では、まず最初に採用担当が応募書類を確認し、合否をつける。そして採用担当目線で合格した人のみ、求人募集をしている採用部門の評価者や社長に応募書類が渡る。そして面接するかどうかを判断する。

①人事(採用担当)が合否をつける
②部門の評価者、社長が合否をつける
 →合格の場合、面接へ

上記に書いたように、書類選考は2回あることは理解して頂けただろうか。そのため、応募書類を作成するなかで注意をしないといけないことは「採用担当がOKと判断する書類であること + 部門(や社長)がOKと判断する書類であること」である。

そしてここで気をつけなければならないことは、採用担当と部門が判断する観点は一緒とは限らない(むしろ違うことも多い)ということだ。
では、ここから採用担当と部門がどのような観点で見ているのかを書いていく。

採用担当には「わかりやすさ」「丁寧さ」を伝える

 例えば大企業(5,000名規模、15部門以上)のマーケティング職種に応募することを考えてほしい。日々、ホームページや人材紹介会社、求人媒体から多くの応募者がくる。その応募者を採用担当は、1日に数十名単位ですばやく合否判断をし、採用部門や社長に渡していかなければならない。あなたの応募書類はどのくらいの時間見られるのでしょうか?

企業や採用担当にもよるが、ほんの数分で判断されます。では、ほんの数分で合格と思わせるためにはどうすれば良いか。

⑴職歴が一目でわかる(伝わる)ようにする
 職務経歴書の中に「職務要約」を必ず書く。私もよく見るのですが、とても優秀な方で経験・スキルもフィットするのに、職務経歴書の書き方が悪く、長々と文章のようにこれまでの経歴を書いている人が見受けられる。そうなると、まず読む気が失せてしまうし、募集しているポジションに経験・スキルはフィットするのか?と感じてしまい、不合格にすることもある。

先ほどの例にだしたマーケティング職で、以下の求人内容で募集をしていることにしよう。

【必須条件】
・マーケティング経験を5年以上お持ちの方
・デジタルマーケティングの経験をお持ちの方(年数不問)
・マーケティング戦略の立案、実行までの経験をお持ちの方
・ビジネス英語力をお持ちの方

この場合、一目で採用担当が「この人は要件を満たしているな」と思わせるために、以下文章のようにわかりやすく書くことが必要となってくる。

【職務要約】
BtoC企業にて新卒から6年間、マーケティング部にて従事しておりました。
カテゴリー担当として、市場分析・調査からプロダクト開発、マーケティング戦略立案から実行まで一貫して担当しておりました。また、各SNSのデジタルマーケティング経験も積んできました。

たった数行ではあるが、細かい職務経歴の内容を確認する前でも、職務要約だけで「この人は要件にマッチしているな」と感じる。また、職務要約を書かずに専門用語や、その職種でなければ理解が難しい仕事内容や実績ばかりを書いている人もいるが、採用担当ではわからない場合もある。
本当はとてもマッチしていても、採用担当で不合格となるケースがあるため、気をつけないといけない。

そのため、誰にでも一目かつすぐに理解してもらえる職務要約が必要

⑵丁寧な書類であること
 採用担当が合格とすると、次は部門や社長が確認することになる。採用担当とすれば、自分が判断した(良いと思った)書類を渡すことになる。もしその書類が汚い、見にくい、よくわからないものであれば、採用担当は渡す気持ちになるだろうか。ならない人がほとんどだ。

せっかく経験・スキルが素晴らしい方でも、明らかに職務経歴書を手抜きしている方や適当に書いている人は落ちる可能性が非常に高い。また、渡す気がなくなるという理由もあるが、そもそも仕事が荒いのではないか?と懸念になるケースもある。だからこそ基本的なことではあるが、丁寧な書類であることが大前提となる。

具体的な経験を書き、数字を使うこと。

採用担当の書類選考が通過したらついに書類選考の最終選考へ。ここでは部門や社長が判断をすることになる。少し偏りが出てしまうが、今回は「部門」の評価者を想定することにしよう。

ここではできる限り、これまでの経験をイメージしてもらうために具体的かつ数字を使った職務経歴を書く必要がある。部門はもちろんだが、その職種に一番詳しい人たちがいる。その人に自分を伝えるためには具体性が重要。

例えば、以下のような書き方になる。

期間:2019年6月〜2020年6月
配属部門:マーケティング部 デジタルマーケティングチーム
(マネージャー以下6名)

【業務内容】
・○○カテゴリーのデジタルマーケティング戦略立案から実行を担当
・月間1,500万円のデジタルマーケテイング運用
・リーダーとしてチームマネジメント(部下3名)

【実績】
・○○のCVが昨年対比○%向上
・○○賞 受賞(全社5,000名中5名が受賞できるもの)
数行書いただけではあるが、この人の状況が具体的にイメージできるのではないでしょうか?おそらくマネージャーがいて、この人はリーダー。部下3名のマネジメントもしている。マーケティング職の中でもカテゴリーを担当しており、特にデジタルマーケティングの業務をしているのだと。

また、実績についても数字を使っているため、わかりやすくなっている。よく何かの賞を取ったと記載している人も多いが、より伝わるように上記のような書き方をすれば、効果的に伝えることができる。

部門では特に「この人は今募集しているこのポジションに合うか?」「今この募集ポジションと似たポジションで働いている人の経験はどうか?」という視点でも見ている。そのため、抽象的な表現ではなく、具体的に数字を使った職務経歴を書くことが必要になる。



採用担当はどこを見ているのか?部門や社長はどこを見ているのか?これを知ってから応募書類を書くことだけでも本当に書類通過率は大きく変わる。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す